零相電圧検出器(ZPD)ってなに?

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高圧受電設備

どうもじんでんです。今回は零相電圧検出器(ZPD)について記事にしました。小規模の受電設備では単体で設置されておらず、よくわからないという方も多いかと思います。しかし太陽光発電設備の普及により、見かける事も多くなりました。

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零相電圧検出器(ZPD)とは?

零相電圧検出器とはZPDと言い「Zero-Phase Potential Device」の略称です。

零相電圧検出器は他にも「ZPC」や「ZVT」などと呼ばれる事もあります。しかしZPDが一般的かと思います。JISなど色々な規格を調べましたが、これが正解と言うものに辿り着けませんでした。もし情報をお持ちの方はコメントをお願いします。

この記事では「ZPD」で呼んでいきます。

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何の為に設置されるの?

ZPD零相電圧を検出する為に設置されます。零相電圧は地絡方向継電器の検出要素の1つで、普通の高圧受電の需要家であればPASに内蔵されています。

またメインの受電所からサブ変電所に、高圧ケーブルで送電している場合にも設置される場合があります。PASとのセットとは別に、受電所で地絡方向継電器が設置されているなら間違いなく設置されています。

また最近よく見られるメガソーラーと言われる、太陽光発電所にも必ず設置されています。これは地絡方向継電器の為ではなく、地絡過電圧継電器の為に設置されています。なぜ需要家と違って設置が必要なのかは、別の機会に記事にしたいと思います。

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外観と回路構成

外観は次のような感じで、高圧回路に接続する本体と電圧の変換などを行う箱の2つに分けられます。

本体はキュービクル内等で、高圧母線等の支持に使われる「エポキシ樹脂碍子」にそっくりの形をしています。3本一組で使用し、各相に 1つずつ設置します。

内部の回路構成は次の通りです。

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検出原理

ZPDは先程の回路構成の様に、コンデンサによって地絡電圧を検出します。

また零相電圧は最大で3810Vになるので、継電器などで扱い易くする為に小さい電圧に変換します。これは計器用変圧器(VT)や計器用変流器(CT)と同じ考え方です。

地絡時の各部の電圧

それでは実際に地絡が発生した時に、各部にどの様な電圧が発生するのかについて考えましょう。

通常時(三相対称交流)は零相電圧は発生しません。

まずは完全一線地絡時にかかる電圧について表したのが次の図です。

この図ではS相が完全地絡しているものとします。

これをベクトル図に表すと次のようになります。

これは大雑把に言えば、完全一線地絡時の零相電圧の考え方と同じになります。地絡時は3×V0=11430Vが発生します。

違うのは直列接続されたコンデンサによって分圧される点です。

完全一線地絡時に零相電圧(11430V)が発生します。しかしこれは各相コンデンサと検出用コンデンサで分圧されます。各相コンデンサ(Cr、Cs、Ct)と検出用コンデンサ(Cg)の容量の比率で、検出用コンデンサ(Cg)には数十V程度の電圧しかかかりません。

検出用コンデンサ(Cg)にかかる電圧(Vcg)を、さらに変圧器(Tr)で小さくしたものが「Y1-Y2」間に発生します。この変圧器は、絶縁の為と継電器入力を小さくする為と考えて下さい。

試験時の電圧のかかり方

ここからは継電器試験などで、試験する際の電圧のかかり方について解説します。

試験時は通常、試験端子の「T-E」間に電圧を印加します。

この時の各部の電圧は次の様です。

単純に試験用コンデンサ(Ct)と検出用コンデンサ(Cg)の直列回路になります。この試験用コンデンサ(Ct)の容量は、各相コンデンサ(Cr、Cs、Ct)の合算値になります。Cr、Cs、Ctは同容量なのでCoとすると次の式が成立します。

Cr=Cs=Ct=Co

Ct=3Co

これにより各相に等しく零相電圧(Vo)を印加したのと同等になることがわかるかと思います。

次に一次側を三相短絡をして試験を実施した場合を考えてみましょう。

ZPDは基本的に先ほどのような試験端子を有しています。しかし一部の製品では、試験端子が存在しないものがあります。その場合はZPDの一次側を短絡させて、一次側と対地間に電圧を印加します。

これは各相を短絡することにより、コンデンサの並列回路を作っています。コンデンサの並列回路では、単純に足し算をすることで1つのコンデンサに変換できます。そうすると、先ほどの試験端子からの試験時の回路と同等になることがわかります。

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どちらの試験方法がいいのか?

先の項目で、ZPDの試験で2つの方法があることがわかりました。ではどちらの試験方法がいいのでしょうか。

試験端子「T-E」間では本来の回路に電圧が印加されていないので、ZPD本体の正常性は確認できません。なのでどちらがいいかというと一次側を短絡させての試験が望ましいです。しかしZPDの一次側に電圧を印加すると感電の恐れなどから、回路から切り離して試験しなければいけない場合もあり試験に時間を要します。

PAS内蔵など試験が難しい場合や、停電時間が時間が限られるなどの場合は試験端子を使うと良いでしょう。または数年に一度は一次側短絡で試験するのもいいかもしれません。

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まとめ

  • 零相電圧検出器はZPDやZPCやZVTとも呼ぶ
  • 零相電圧を検出するためのもの
  • 地絡方向継電器や地絡過電圧継電器と併せて設置される
  • コンデンサによって分圧し、扱い易い電圧に変換する
  • 2通りの試験方法がある

ZPDは単体で設置されていることも少なく、あまり扱わない機器です。しかしPASには内蔵されており、地絡方向継電器の重要な一部とも言えるものなのできちんと理解しておきたいものです。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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