とっても大事!計器用変流器(CT)の過電流強度と過電流定数!

高圧受電設備
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過電流強度と過電流定数とは?

どうもじんでんです。今回は計器用変流器(CT)における、過電流強度と過電流定数について記事にしました。

計器用変流器(CT)の基本はこちらの記事をみてください。

過電流強度と過電流定数は大事な要素にも関わらず、意外と見落とされがちです。これらも考慮して選定されていないと、事故時に過電流継電器が動作しない恐れがあります。保護協調を考える上でも、とっても大事な要素です。

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過電流強度とは?

まずは過電流強度について説明していきます。簡単に言うと「どのくらいの大電流に耐えきるか」と言うことです。過電流強度は定格耐電流とも言います。

計器用変流器には、変流比があり定格一次電流があります。通常時に定格以上に流れることが無いように、余裕を持って選定されています。

しかし短絡が起こった場合はどうなるでしょう?短絡の場合は、通常では考えられない大電流が流れます。その短絡電流を感知して、過電流継電器が動作しなければなりません。なので短絡電流に計器用変流器が耐えられる必要があります。もしも耐えられなければ、変流できずに過電流継電器が動作しないことが考えられます。

6600Vの高圧受電設備であれば、受電点の三相短絡容量より短絡電流を算出します。その短絡電流以上の過電流強度を持つ計器用変流器を選びましょう。

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過電流定数とは?

過電流定数とは変流比の誤差が10%以内に収まる、一次電流と定格一次電流の倍数を表したものです。主に「n>10」や「n>20」などと表示されています。

計器用変流器は理想では、一次電流と二次電流は比例するのでグラフで表すと直線になります。しかし現実は磁気飽和などで、一次電流が大きくなればなるほど誤差が大きくなっていきます。この誤差が10%に収まる定格一次電流に対する倍数を過電流定数と言います。

先ほどの「n>10」では10倍「n>20」では20倍までが、10%の誤差に収まると言うわけです。

例えば「変流比:300/5」「過電流定数:n>20」の計器用変流器だとしましょう。この場合では一次電流300Aの20倍なので、「300×20=6000」となり一次に流れる電流が6000Aまでなら誤差が10%に収まると言うことです。

事故時に過電流継電器を確実に動作させる為には、過電流定数を考慮して選定しなければいけません。選定は、過電流継電器の瞬時動作の整定値を一次側に換算した値より大きくなるようにします。

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実際の計算!

仮の6600V高圧受電の需要家で計算をしてみましょう。条件は「受電点の短絡容量は90MVA」「計器用変流器は75/5」「設備容量は500kVA」「過電流継電器の瞬時値の整定は35A」とします。

  • 短絡電流は「90000÷6.6÷√3=7882A」
  • 過電流継電器の瞬時動作の一次換算は「35×(75/5)=525A」

この電流に合わせて、計器用変流器の過電流強度及び過電流定数を選定します。

  • 過電流強度は短絡電流の7882A以上のものを選定して下さい。
  • 過電流定数は瞬時動作の525Aより「525÷75=7」なので、「n>7」以上のものを選定して下さい。

上記よりこの場合では、計器用変流器は「変流比:75/5」「過電流強度:7.9kA以上」「過電流定数:n>7以上」のスペックが必要となります。

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まとめ

  • 過電流強度とは、どれだけの大電流に耐えきるかを示したもの。
  • 過電流強度は受電点の短絡電流に耐えれるように選定する。
  • 過電流定数とは、誤差が10%に収まる定格一次電流に対する倍数。
  • 過電流定数は過電流継電器の瞬時動作整定値の一次換算より大きくなるように選定する。

今回は意外と見落としがちな、過電流強度と過電流定数について記事にしました。せっかく保護協調をキチンとしても、計器用変流器の選定ミスがあれば機能しない場合がありますので注意しましょう。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

わかる短絡保護協調―高圧需要設備の実践的短絡計算

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