高圧交流負荷開閉器(LBS)ってなに?

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どうもじんでんです。今回は高圧受電設備において、よく見る開閉器の高圧交流負荷開閉器(LBS)について記事にしました。PF・S形の受電設備では、主遮断装置ともなる開閉器です。

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高圧交流負荷開閉器とは?

高圧交流負荷開閉器は、「LBS」とも呼び「Load Break Switch」の略称です。日本電機工業会(JEMA)にて定められている「制御器具番号」では「89」に該当します。しかし「89」は断路器又は負荷開閉器となっているので、高圧交流負荷開閉器だけを指す番号ではないので注意が必要です。

高圧交流負荷開閉器は、日本産業規格(JIS)にて定められている言葉です。各メーカーでは、「負荷開閉器」や「気中負荷開閉器」などと呼んでいる事もあります。

現場などでは一般的に「LBS」と呼ぶことが多いです。

種類

高圧交流負荷開閉器には種類があります。「ヒューズ付き」「ストライカ付き」があります。

現在、現場でよく見かけるLBSはどちらも有している「ストライカ付きヒューズ付き高圧交流負荷開閉器」になります。

もちろん「ただの高圧交流負荷開閉器」や「ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器」も存在します。しかしストライカは、ヒューズが無いと必要ないので

「ストライカ付きだけの高圧交流負荷開閉器」は存在しません。

ストライカについては後で詳しく説明します。

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特徴

高圧交流負荷開閉器は負荷電流を開閉できる機器です。

しかし短絡電流などの大電流を遮断する事はできません。短絡電流の遮断は高圧限流ヒューズにて行います。もちろんヒューズ付きでない高圧交流負荷開閉器では短絡電流の遮断はできません。

保護する機器に合わせて高圧限流ヒューズを選定します。高圧限流ヒューズについて詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

高圧交流負荷開閉器は基本的に開閉器ですが、PF・S形受電設備では主遮断器として扱われます。

この時の高圧交流負荷開閉器は日本産業規格(JIS)の「JIS C 4620:2018 キュービクル式受電設備」の「7.3.6 主遮断装置」にて、ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器でストライカ付きである事が求められています。

開閉方法

高圧交流負荷開閉器は、「断路器操作用フック棒」で操作します。

投入時は本体右側に設置の操作レバーを押し込んで操作します。開放時は本体右側に設置の開放用レバーを押す事で、引っ掛けが外れバネによって勢いよく開放されます。

高圧交流負荷開閉器はバネにより開放する特徴がある為に、投入時も注意が必要です。

投入時はバネを押し込んでレバーを引っ掛けます。この引っ掛けが甘いと、振動などで不意に外れて開放される事があります。投入後に引っ掛けが、ちゃんと掛かっているかを確認する様にしましょう。

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アークの消弧

高圧交流負荷開閉器は負荷電流の開閉ができるので、アークの消弧ができるようになっています。

刃が接触するところに白い樹脂製のパーツが付いています。これをアークシュートと言い、消弧室になっています。

アークが発生すると、その熱にてアークシュートからガスが発生して冷却効果で消弧します。またアークシュートは、アークが広がらないように閉じ込める役割もあります。

さらに高圧交流負荷は「切」の動作時はバネによって、勢いよく開放するようになっています。これにより素早く極間の距離を取る事で、消弧の効果を高めています。

高圧交流負荷開閉器のようなアークの消弧方法を「細隙消弧」といいます。

ストライカの役割

ヒューズ付き高圧交流負荷開閉器では、高圧限流ヒューズにて大電流を遮断する様になっています。しかし遮断時は殆どの場合において、ヒューズが3本中の1本だけ切れる事になります。

これでは残りの2相は電気が繋がっているので、電圧が印加されている事になります。これを欠相と言い、機器の破損に繋がります。

これらを防ぐ為には、ストライカと呼ばれる機能付きの高圧交流負荷開閉器を選びます。

ストライカは高圧限流ヒューズのどれか1つでも切れると、高圧交流負荷開閉器を開放させる事で3相とも開放し欠相を防ぎます。

動作原理

ヒューズが切れると、ヒューズ底面から棒が飛び出るようになっています。それが高圧交流負荷開閉器のレバーを押す事で、高圧交流負荷開閉器を開放させます。

殆どのメーカーは、下側にヒューズの棒が飛び出るように設計されています。しかし一部メーカーは、上側に飛び出るようになっているものもあります。

絶縁バリア

高圧交流負荷開閉器にはオプションとして絶縁バリアと呼ばれるものが存在しましす。これはヘビや小動物の接触による短絡や地絡を防ぐ為に設置するものです。絶縁バリアがある事で、小動物が充電部に接触しづらくしています。

基本的に、相間に2枚と外側に1枚ずつの計4枚が設置されます。

絶縁バリアはオプションですが、PF・S形受電設備の主遮断装置に用いる高圧交流負荷開閉器には日本産業規格(JIS)にて規定があります。「JIS C  4620:2018 キュービクル式受電設備」の「7.1 構造一般」にて絶縁バリアを設置する事となっています。

まとめ

  • 高圧交流負荷開閉器は「LBS」と呼ばれる
  • ヒューズ付きやストライカ付きなど種類がある
  • 負荷電流の開閉ができるが、短絡電流は遮断できない
  • 短絡などの大電流はヒューズで遮断する

高圧交流負荷開閉器はよく見かける開閉器です。しかもPF・S形受電設備では主遮断器としても利用されます。各部についてしっかりと理解しておきたいものです。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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