どうもじんでんです。今回は進相コンデンサの設置場所による、効果の違いについてまとめました。低圧回路に入れるのか高圧回路に入れるのか、どちらも力率改善は同じですが他にも効果が期待できます。
進相コンデンサとは?
進相コンデンサの基本についてはこちらの記事をご覧下さい。
高圧進相コンデンサについての記事ですが、基本的な事は低圧回路用でも高圧回路用でも同じです。
進相コンデンサの設置による効果
進相コンデンサの設置の大きな目的は、力率改善です。力率改善をする事により、無効電力を減らして電気の無駄を抑える事ができます。
また力率改善をすると、電力会社から電気料金の割引を受ける事できます。
これについて詳しくはこちらの記事をご覧下さい。
「進相コンデンサ=電気料金の割引」と考えている方も多いのではないでしょうか?
しかし力率改善による電気の無駄を抑える事は、他にも効果があります。その効果は大きく次のものが挙げられます。
- 力率割引を受けられる
- 変圧器の容量を有効活用できる
- 電圧降下を抑える事ができる
- 配電線を有効活用できる
しかしこれらの効果は、進相コンデンサの設置場所により大きく違ってきます。
進相コンデンサの設置場所の違いによる効果の違い
進相コンデンサの設置パターンは、大きく分けて次の3つがあります。
- 高圧回路に設置
- 変圧器直下の低圧回路に設置
- 低圧機器の直近に設置
電気料金の割引だけが目的なら、どれを選んでも同じです。それぞれにメリット、デメリットがあります。
高圧回路に設置
進相コンデンサを高圧回路への設置は次のメリット、デメリットがあります。
- 容易に力率改善による電気料金の割引を受けられる
- 設置費用が最も安価
- 電気料金の割引以外には効果なし
- 保守管理が容易
高圧回路への設置は、設置する台数も少なく済み、保守管理もしやすいです。しかし電気料金の割引を受ける以外に効果はありません。
変圧器直下の低圧回路に設置
進相コンデンサを変圧器直下の低圧回路への設置は次のメリット、デメリットがあります。
- 変圧器の容量を有効活用できる
- 設置費用は中くらい
- 保守管理の面では高圧とほぼ同じ
変圧器直下の低圧回路への設置は、これまでのメリットに加えて変圧器の容量を有効活用できるメリットがあります。
低圧回路で力率改善をする事で、変圧器に流れる電流を効率化できます。これにより変圧器を有効活用できます。
保守管理の面でも、高圧回路に設置の場合と殆ど変わりません。
低圧機器の直近に設置
進相コンデンサを低圧機器の直近への設置は次のメリット、デメリットがあります。
- 変圧器及び配電線を有効活用できる
- 設置費用が高価
- 台数が増えるので保守管理が大変
低圧機器の直近で力率を改善する事で、力率改善によるメリットを全て受ける事ができます。しかし必然的に台数が増えるので、設置費用や保守管理の面は良くありません。
回路図で考える
ここまでは言葉で、効果を表しました。しかし分かりにくい部分もあると思うので、簡単に回路図で表しました。
図は分かりやすいように簡略化しています。また容量(kVA)で表していますが、これは分かりやすくする為です。本来は電圧は一定なので電流が少なくなります。
高圧回路に設置
変圧器直下の低圧回路に設置
低圧機器の直近に設置
まとめ
- 進相コンデンサは電気料金の割引だけがメリットじゃない
- 設置場所によって受けれるメリットが変わる
- 下位のメリットは上位にも波及する
進相コンデンサは電気的な理想では、低圧機器の直近に設置するのが望ましいです。しかし費用対効果や保守管理の面で、高圧回路への設置が一般的です。最近では、変圧器直下の低圧回路の設置が増えてきた印象です。進相コンデンサは電気料金の割引だけが目的ではない事を認識しておきましょう。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
コメント