どうもじんでんです。今回は断路器についてまとめました。
断路器(DS)とは?
断路器は「DS」とも呼び「Disconnect Switch」の略称です。又は「ジスコン」や「ディスコン」とも呼びます。
基本的にVCBの上位に設置され、保守点検時に開く事で安全に作業できるようにするものです。
特徴
断路器はその形状や動きから、開閉器類と間違われる事があります。しかし断路器は開閉性能はありません。
したがって負荷電流が流れている状態では、開閉する事ができません。間違って開くとアークが発生して作業者が被災してしまいます。
VCBなどで負荷電流が0の状態であれば、有電圧でも開閉は可能です。
断路器の必要性
断路器には、確実に停電させて作業範囲を安全にする役目があります。
変電所などにおいてVCBの切のみで停電させると、「表示だけで目視による確認ができない」や「誤操作による誤送電」が考えられます。
その為に断路器を開放する事で、「目で見て開路が確認できる」や「2段階で切り離す事で誤操作による誤送電を防ぐ」ことができます。
高圧受電設備では、停電作業の際にPASにて停電させます。その為、断路器の必要性が無いように感じるかもしれません。
しかし高圧回路に触る際は、「短絡接地器具」と呼ばれる作業用接地を付ける必要があります。これは労働安全衛生規則第339条で決まっています。
この短絡接地器具を取り付ける箇所として断路器が必要となります。また先程と同じで、目で見て開路を確認するのにも必要です。
※PF・S形受電設備ではこの限りではありません。LBSが代役になります。
操作方法
断路器は基本的には「断路器操作用フック棒」と呼ばれる、専用の棒で操作します。これの規格は「JIS-C-4510」にて定められています。
「ディスコン棒」や「ジスコン棒」とも呼ばれます。
断路器操作用フック棒にて、断路器本体の穴に引っ掛けて操作します。1相ずつ引っ張ったり押し込んだりする事で開路及び閉路させます。
他にも操作に断路器操作用フック棒を必要としない、断路器もあります。電動で操作でき遠方からも操作可能なもの、盤面から操作するものなどがあります。これは次で説明するインターロックをとる事もできます。
インターロック
断路器は開閉性能がない為に、間違って操作するとアークにより被災してしまいます。作業者の勘違いや無知で、実際に被災された話はあります。
これを防ぐ為に、インターロックを取ってある事があります。断路器の直近下位のVCBとインターロックを取り、VCBが開路状態でないと断路器を操作できないようにしています。こうする事で確実に負荷電流が流れていない状態でしか、断路器を操作できないようにしています。
インターロックを取る為には、普通の断路器ではできません。対応した専用の断路器が必要です。
まとめ
- 断路器は「DS」や「ジスコン」「ディスコン」とも呼ばれる
- 開閉性能はなく、間違って開閉するとアークにより被災する
- 断路器は安全に作業する為に必要
- 操作は「断路器操作用フック棒」でする
- インターロックで誤操作を防止できる
今回は断路器についてまとめました。断路器の誤操作による被災は、無いようで意外と現実にある事故です。しっかりとその特徴を知っておかなければいけませんね。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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