どうもじんでんです。今回は計器用変成器(VCT)についての解説です。VCTは通常、電力会社の電気料金の算出に使われます。
計器用変成器(VCT)とは?
計器用変成器は「VCT」とも呼び、「Voltage and Current Transformer」の略称です。他にも「計器用変流変圧器」や「電力需給用計器用変成器」「MOF(Metering Out Fit)」などとも呼んだりします。
電力の取引の為に利用されます。通常は電力会社が設置及び管理しており、電力会社の所有物となります。
計器用変成器は、計器用変流器(CT)と計器用変圧器(VT)を1つにパッケージしたものです。
二次側の定格は、通常は「110V、5A」となっています。
設置の目的
計器用変成器は電力量計と組合せて、電力量の計量の為に設置されます。計量された電力量を元に電気料金を算出します。
高圧以上で受電する需要家は、電圧が高圧となる為にそのままでは電力量を計測する事は困難です。その為に計器用変成器を高圧回路に設置して、変圧及び変流し扱いやすい低圧にして、電力量計に接続して計測します。
種類
計器用変成器は、高圧需要家に設置される通常のものはモールド形となっています。
変圧器に似た見た目から、油入と勘違いされる事もありますが、絶縁油は入っておらず乾式となっています。
特別高圧用などでは、油入形やガス絶縁形などがあります。
検定
計器用変成器は電気料金を取引する為に、計量法にて検定が義務付けられています。また検定には有効期限があり、切れたものは使用できません。
検定されたものは、検定を受けた証明として、また改造されないように封印がつけられます。これが無いものは有効性が証明できません。
検定は組み合わせる電力量計とセットで検定を受けます。
計器用変成器は特別検定を利用する事で、最長21年使用できます。
特別検定とは、検定を受けた計器用変成器は14年以内なら、電力量計のみの検定で良いというものです。電力量計の有効期限が7年のものであれば、14+7で21年となります。
まとめ
- 計器用変成器は「VCT」とも呼ぶ
- 高圧回路の電力量を計測する為に設置する
- 通常はモールド形
- 電気料金の算出に使うので検定が必要
計器用変成器は基本的に電力会社の所有物なので、管理したりする必要はありません。しかし基本的な事は知っておきましょう。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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