どうもじんでんです。電気の仕事において大事な道具って、何が思い浮かびますか?ドライバー、ペンチ、ナイフですか?もちろん作業工具も大事ですね。
しかし電気の仕事は、危険と隣り合わせです。何故なら電気は、目にも見えないし匂いも音もしません。もし誤って電気に触れれば感電し、最悪の場合は亡くなってしまう可能性もあります。
そんな電気から身を守る道具も重要です。電気から安全を確保する道具として、検電器が挙げられます。
今回は、そんな検電器の正しい使い方について解説します。
検電器とは?
検電器とは電気が通電しているのか、していないのかを簡単に判断する道具です。
電気の仕事では、停電してからの作業が原則です。主幹のブレーカーを切って、全体を停電させるならあまり心配はありません。しかし一部の回路だけを停電する場合は、本当に触る回路が停電しているのか判断するのが難しいですよね。
そんな時に検電器を使用します。検電器を電路に接触させると、通電している時は鳴動や発光によって知らせてくれます。逆に無反応であれば、停電していると判断できます。
検電器にて、電路の通電状態を判断する行為を検電と言います。
停電を判断する方法は、検電だけではありません。例えばテスターなどの電圧計にて、0Vを確認すれば停電を確認できます。
検電器のメリットは、手軽に通電の有無を調べられる点です。電圧計の様に細かい値は知る事ができませんが、作業前の通電の有無だけなら必要十分です。
検電器の正しい使い方【基本編】
検電器は簡単に通電の有無を調べられますが、その反面で扱いには十分注意が必要です。間違った使い方をすると、停電と勘違いして感電してしまう恐れがあります。
検電器には色々な種類がありますが、ここではまず全ての検電器に共通する事について解説します。
1.日常点検
検電器は自身の命を守る大事な道具です。その為に現場で使おうとしたら、故障していたなんてあってはいけません。故障しても代替手段があれば良いですが、検電器しか確認する方法がない場合は作業ができなくなります。
特に高圧回路の確認は、検電器くらいしか方法がないので困りますね。
そんな状況にならない為にも、現場に行く前に検電器のチェックをしましょう。外観はもちろんのこと、検電器が正常に動作するかが大事です。
動作確認は、実際の電圧を利用して確認しましょう。
テストボタンが搭載されている製品もありますが、これは電池残量を確認する為のものです。これでは動作試験としては不十分なので注意しましょう。
低圧検電器なら、コンセントに差し込むなどで確認できます。しかし高圧検電器や直流検電器は、確認が難しいです。
そんな場合は、検電器チェッカーという製品を使いましょう。検電器チェッカーなら、実際の電圧を出力し検電器の確認ができます。より確実な確認方法ですね。
この様な方法で、現場に出る前の確認をしましょう。
2.使用前点検
いざ現場で使う直前にも検電器の確認が必要です。
先程の説明で、現場に行く前の確認をしました。確認をしたのでもう大丈夫と思う方もいるかもしれません。しかしそれではダメです。現場では使用する電圧があるので、実際の活線で検電器の動作チェックをしましょう。
これで使用前の検電器の動作チェックは完璧です。
3.検電方法
これまでは、検電器を使用する前の話でした。ここからは、実際に検電する方法について解説します。
まず検電する直前に、テストボタンで検電器の動作チェックをしましょう。これまでに散々確認したので問題は無いと思いますが、最後のおまじないの様に確認しておきましょう。
まず検電器を当てる場所は、導体部の露出しているところでしましょう。絶縁被覆の上からでも、検電できる検電器もあります。しかしこれは、回路調査などで使用する付加機能的なものです。工事などで実際に回路に触れる場合は、必ず導体部にて検電をしましょう。
高圧ケーブルなどのシールド付ケーブルでは、充電中でも被覆の上からでは検電器は反応しません。
どうしても電線の途中で切断するなど、被覆の上からの検電しかできない場合は、停電前に検電器がキチンと反応するのを確認しましょう。検電器を当てて反応した状態でブレーカーを切り、反応が消えるのをリアルタイムに確認できれば良いでしょう。
次に検電は、触る全ての相に検電器を当てましょう。低圧交流回路で言えば、1相は接地相と言い対地電圧が0Vの相があります。1相のみ検電して、接地相だった場合は検電の意味はありません。必ず全ての相を検電しましょう。
また一部停電の作業の場合は、作業場所が変われば再度検電をしましょう。停電していると勘違いしての事故も、多く発生しています。
検電器の使い方【電圧種別編】
電源は色々な種類があります。低圧や高圧など電圧の大きさの違いや、交流や直流の違いがあります。検電器もそれぞれに対応した、専用のものを使用しなければいけません。全てに対応したものは存在しないでしょう。
ここからは、それぞれの電圧種別毎の注意事項について解説します。
交流用検電器
交流用の検電器は、検電器を持つ人を通して充電を検知します。
その為、製品毎に持ち手の部分が指定されています。指定された部分をしっかりと握って検電する様にしましょう。
直流用検電器
直流用検電器は、基本的に接地線を接続する必要があります。交流用の様に持つだけでは、検電できません。
製品によっては、交流用の様に持つだけでも検電できるものもあります。しっかりと取扱説明に従って使用しましょう。
高圧及び特高検電器編
高圧及び特高用の検電器では、検電する際にゆっくりと対象物に近づける様にしましょう。
高圧及び特高回路では、導体部に接触しなくても検電器は反応します。反応した場合はそれ以上、検電器を導体部に近づけないようにしましょう。検電器も絶縁性がありますが、わざわざ接触させるのは危険です。
無電圧の確認は、ゆっくり近づけて反応しないのを確認しながら、徐々に近づけて導体部に接触させます。
まとめ
- 検電器は、日頃から点検が必要
- 無電圧確認は、導体部で検電しよう
- 電圧種別毎の特性に注意しよう
電気の仕事において、検電器の使い方はとても重要だと考えます。しかし軽視されている様にも感じる時もあります。安全作業をする為にも、検電器の正しい使い方を今一度確認しておきましょう。
また検電器は、色々な種類があり適切なものを選ばなければ意味がありません。検電器の選び方についてはこちらの記事をご覧ください。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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