クランプメーターって何?
電気において大事な要素は「電圧」「電流」「抵抗」になります。そうオームの法則ですね。ほとんどの事柄にこれが絡んできます。
今回はその中でも「電流」を計測するクランプメーターという道具についてお話していきます。電流を測定するには、電流計を使用することで測定ができます。しかし回路に直列に接続しなければなりません。これにはある問題点があります。
『電流計を設置するために測定したい回路の停電が必要!』
当り前と言えば当り前なのですが、実際の現場では停電をすることが難しく容易ではありません。そんなときに使用するのがクランプメーターなのです。
クランプメーターを使用すれば、測定したい電線に外側から挟み込むだけで測定することができます。停電する必要がなく、安全な測定を可能にしてくれます。
選ぶポイント!
一口にクランプメーターと言っても、様々な種類があります。値段も安くはないので、測定したい箇所に適切なものを選びたいですね。これからクランプメーターを選ぶ上で大事なポイントを紹介します。
- 電流の大きさ
- 測定する電線のサイズ
- 電源の種類
電流の大きさ
どんな測定器にも言えることですが、測定できる最大値が決まっています。クランプメーターにも当然あります。200Aを測定したいのに、100Aまでしか測定できないクランプメーターでは測定できません。測定したい電流より大きいものを選ぶようにしましょう。
だったらとにかく最大値が大きいものを選べばいいじゃないか?と思われる方がいらっしゃるかと思います。しかしそれで選ぶと困ったことになります。それはクランプメーターの最大値に対して、測定電流が小さいと正しく測定できない又は誤差が大きくなります。
例えば1000Aのクランプメーターで、1Aの測定をしようとすると、0Aと測定値が出たりとても信用できる結果は出ません。メーカーの仕様には最大値に並んで下限値も書いてあるので、そこもよく確認しましょう。なので測定したい電流に対して、とんでもなく大きいクランプメーターは適しません。
今どきのクランプメーターは一台で多くの測定レンジを切り替えて使えるものがほとんどです。測定したい電流に幅がある場合や、不明な場合は測定レンジが多くあるものを選ぶといいでしょう。
もう一つ大事なのが、ほとんどのクランプメーターは測定単位は「A」です。現場で漏電調査をしようとなれば、漏れ電流の単位は「mA」になります。なので通常のクランプメーターでは正確に測定できません。このように漏電調査に使用するのであれば、リーククランプメーターという種類を購入しましょう。測定が1mAでも正確に測定できます。しかし通常のクランプメーターの2~3倍程度の金額がします。
クランプメーターとリーククランプメーターの違いについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
測定する電線のサイズ
クランプメーターは、電線の外から挟み込んで測定します。なのでクランプメーターが挟むことができなければ、測定できません。しっかりと挟み込めるサイズのものを選定しましょう。
しかしこれも大きければ良いと言うことではありません。大きくても測定値に誤差は出ません。しかし大きいと入り組んだ場所や電線と電線の間に、入り込まず測定できない場合があります。最近は省スペース化がされているので、今まで以上に測定しづらくなっています。
最近はクランプ部が細く、小さな隙間にも入りやすく改良されているものもHIOKIより発売されていますので、そういうものを選ぶといいでしょう。
またフレキシブルタイプというのもあります。これはクランプ部が線状になっているので、本当に小さな隙間にも入ります。また測定できるサイズも比較的に大きいです。
電源の種類
ご存知とは思いますが、電気には『交流電源』と『直流電源』があります。クランプメーターにも交流電流が測定できるもの、直流電流が測定できるものがあります。大半のクランプメーターが交流電流のみの測定に対応しています。直流電流の測定に対応しているものは若干、金額が高い傾向にあります。今までは直流電流を測定するニーズは少なかったですが、最近は太陽光発電所が増えてニーズが高まっています。
直流電流も測定することがあれば交流も直流も測定できるタイプを選ぶといいでしょう。
まとめ
- 測定できる上限値は測定したい電流より大きいもの選ぼう。しかし大きすぎはダメ。
- 測定したい電線のサイズを確認しよう。それを挟めるクランプメーターを選ぼう。
- 測定したいのは交流か直流かを確認して選ぼう。
以上、電気屋の道具のクランプメーターについて選び方のポイントを紹介しました。この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。
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