どうもじんでんです。今回は、SOG制御装置のSO動作試験の方法についてまとめました。GR試験は実施しても、SOについては実施していない場合もあるのではないでしょうか?
またはテストボタン試験のみで、それ以外の方法がわからないなんて方もいらっしゃるかと思います。是非とも試験の方法を知っておきましょう。
SOG制御装置とは?
まず始めに、SOG制御装置とはなんなのかについて説明しておきたいと思います。
過去にSOG制御装置の基本について解説した記事があるので、こちらをご覧下さい。
SO動作試験の方法
SO動作試験とは、テストボタンを使わずに模擬的にSO動作をさせる試験の事を指します。
メーカーや機種別に、大きく分けて2つの方法が存在します。それぞれ合った方法でないと試験できないので注意が必要です。
簡単な見分け方は、Vb端子があるかないかで判断できます。
Vb端子がある場合(戸上電機 ・ エナジーサポート・大垣電機)
SOG制御装置の端子を見て、Vb端子がある場合の試験方法です。代表的な機種は、「戸上電機製作所」「エナジーサポート」「大垣電機」のPASに付属のものになります。
見分け方はタイトル通り、端子台に「Vb」が存在することです。「Va」や「Vc」ではないのでご注意下さい。
試験方法
- クリップなどで「Vb」と「Vc」を約1秒短絡する
- 上記の短絡を解除する
- その後、1秒以内にSOG制御装置の電源を「切」にする※専用ブレーカーを「切」にする
- するとSOの動作表示が出ると共に、PASが「切」になる
この試験方法では端子を短絡するだけで良いので、道具を必要としないので比較的簡単に試験できます。しかしSOG制御装置電源を切る必要があるので、引込柱とキュービクルで分かれての作業が必要です。必然的に、2人以上での作業が必要になります。
Vb端子がない場合(日本高圧電気)
SOG制御装置の端子を見て、Vb端子がない場合の試験方法です。代表的な機種は「日本高圧電気」のPASに付属のものや、各メーカーのUGSやUASに付属のものになります。
見分け方はタイトル通り、端子台に「Vb」がないことです。それと代わりに「O1」や「O2」「OC1」「OC2」などがあるのも見分けるポイントです。
しかし機種によって、名称はバラバラなので注意して下さい。
試験方法
- 「OC1」「OC2」などメーカーで決められた箇所に決められた電流を流す
- SOG制御装置の過電流(OC)のランプが点灯する
- 電流出力を切る(0Aにする)
- すぐにSOG制御装置の電源を「切」にする
- するとSOの動作表示が出ると共に、PASが「切」になる
このタイプの試験では、電流を流す必要があります。流す箇所は先ほどの「O1」などの端子ですが、メーカーによって名称がバラバラです。また流す電流の大きさもバラバラです。
取扱説明書などで確認してから試験しましょう。
テストボタン試験ではダメなのか?
各試験の方法について説明しましたが、SOG制御装置にあるテストボタンでの試験ではダメなのか疑問に感じるかもしれません。
正直なところ個人的には、テストボタンでも問題ないと思います。
特に「O1」などに電流を流すタイプでは、その試験方法について取扱説明書に記載されていないものもあります。記載がなければ流す電流値もわからないので、試験ができません。
しかしテストボタンを押しても動作しない時などの故障診断では、今回の方法を試すことでどこが故障しているかを判断できる場合もあります。
まとめ
- SO動作試験は2種類の方法がある
- 見分け方はVb端子があるかないか
- Vbがない場合の試験は取扱説明書でよく確認してから試験すること
SO動作試験は、殆どがテストボタンで試験していると思います。実際にはそれで充分ですが、故障診断などで活用できるように知っていて損はないかと思います。初めて知った方は練習がてら、たまには今回の方法で試験するのも良いかもしれません。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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