どうもじんでんです。太陽電池発電設備の出力って、何で決まるか知っていますか?
特に太陽光発電所で出力は大事で、この出力が様々な点に影響します。太陽光発電所では、太陽電池モジュール容量やPCS容量、変圧器容量と出力ととれる様な値が多くあります。しかし発電所としての出力は1つしかありません。
ここでは太陽電池発電設備の出力の考え方について解説します。
太陽電池発電設備とは?
太陽電池発電設備とは、太陽電池モジュールにより発電する設備です。
太陽電池モジュールは直流電圧で出力されるので、一般的に使用される交流電圧に変換する必要があります。直流から交流に変換する機器をPCS(パワーコンディショナー)と呼びます。
一般的には、太陽電池モジュールとPCSを合わせて太陽電池発電設備となります。
またメガソーラーなどと呼ばれる大規模な太陽光発電所には、高圧電圧で連系する為に更に変圧器で電圧を昇圧する必要があります。
太陽電池発電設備の基本については、こちらの記事をご覧下さい。
太陽電池発電設備の出力とは?
太陽電池発電設備には出力が定義されます。この出力は様々な点に影響します。例えば出力が50kW未満か以上かで、小出力発電設備なのか発電所なのかが変わります。他にも様々なところで、この容量が基準となります。
しかし太陽電池発電設備で厄介なのが、容量ととれる値が複数あります。どれで判断すれば良いのか、意外と知られていないのでは無いでしょうか。
しかし容量はどの様に決定するかはちゃんと決められています。
始めに正解を書いておきます。
「原則として太陽電池モジュールの合計が太陽電池発電設備の出力」
太陽電池発電設備に関わったことのある人なら、これについて疑問があるのではないでしょうか。しかしあくまでもこれは原則で、条件によっては変わってきます。
太陽電池発電設備の出力を決める要素
太陽電池発電設備で出力に関わる要素は2つあります。
- 太陽電池モジュールの出力の合計
- PCSの出力の合計
この2つの出力が同じなら何も迷うことはありません。
しかし多くの場合で2つの出力に違いがあり、太陽電池モジュールの容量の方が大きくなる様に設計されています。この時にどちらを太陽電池発電設備の出力として採用していいか迷ってしまいます。
太陽電池モジュールの出力
太陽電池モジュールの容量は発電できる直流側の最大の出力となります。
太陽電池モジュール1枚の出力×総枚数で算出されます。この時に接続が直列か並列かは問いません。
PCSの出力
PCSは直流を交流に変換する機器です。
PCSの出力は交流として出力できる最大の容量となります。複数台が設置される場合は、各PCSの出力の合計となります。
太陽電池発電設備の出力の考え方
これまでの解説を見ると一見、PCSの出力を適用するのが正しい様に思えます。
それは太陽電池モジュールがいくら多く発電しても、交流に変換できる容量はPCSで制限されるからです。よってPCSの出力を太陽電池発電設備の出力としてもいい様に思えます。
原則は太陽電池モジュールの出力が判断
しかし始めに話した様に、太陽電池発電設備の出力は太陽電池モジュールの出力で決定されます。これは直流側で消費されることを想定して決められています。
直流側に蓄電池などの負荷が接続されている場合は、PCSの最大出力をしながら蓄電池の充電をおこなえます。こうなると発電所の出力としては、太陽電池モジュールの出力が適切と考えられますね。
この様に直流側の負荷も想定して、原則は太陽電池モジュールの出力が発電所としての出力となります。
例外もある
原則は太陽電池モジュールの出力が適用されますが、例外もあります。
それは「直流側に蓄電池などが無い場合はPCSの出力で判断してもいい」となっています。
これは経済産業省のサイトでも明記されています。
現在、多くの太陽電池発電設備が直流側に蓄電池を接続していません。よってPCSの出力で判断している現状があります。
これが一般的であるために、太陽光発電設備の出力はPCSの出力で判断すると思い込んでいる人も多いのでは無いでしょうか。
しかし原則は、太陽電池モジュールの出力で判断すると覚えておきましょう。
まとめ
- 太陽電池発電設備の出力は様々点に影響する
- 原則は太陽電池モジュールの容量で判断
- 例外として直流側に蓄電池などの負荷がない場合はPCSの容量で判断
太陽電池発電設備は、これからも増加していくと思います。今後は蓄電池を組み合わせたり、システムが複雑化していくでしょう。
また法的な規制も厳しくなる一方です。規制の対象も出力によって線引きされます。
そういった時に、誤った認識で出力で判断しない様にしましょう。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
コメント