PPAによる太陽電池発電設備の電気保安管理問題

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どうもじんでんです。近年、様々な要因から太陽電池発電設備の設置が進んでいます。

特に最近、増えているのがPPAによる導入です。PPAを活用することで、初期費用不要で太陽電池発電設備を設置できます。また保守管理も不要との謳い文句から、様々な需要家で導入されています。

しかしここで問題となるのが、自家用電気工作物に接続されるPPAの太陽電池発電設備の電気保安管理です。電気主任技術者による自家用電気工作物の保守管理と、PPA事業者による保守管理が混同されている現状があります。

今回は、この問題について解説します。

※私の実際の経験を基にした解釈で解説していますが、各地域の産業保安監督部の見解により解釈が違ってくる場合があるのでご注意下さい。

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各用語解説

まずは各用語について簡単に解説します。

PPAとは?

PPAとは第三者モデルとも呼び、PPA事業者が需要家の敷地に太陽電池発電設備を設置して、それにより発電した電気を需要家に販売するものです。

初期の導入費用及びメンテナンス費用はPPA事業者が負担するので、容易に導入できるのが最大の特徴です。

また需要家としては再生可能エネルギー導入による企業価値向上と、電力会社から購入する電気を削減することによる経費削減が見込まれます。

PPAについてはメリット、デメリットがありますので、詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

自家用電気工作物とは?

自家用電気工作物とは、主に高圧以上で受電するビルや工場の電気設備を指します。

自家用電気工作物の設置者には、電気主任技術者の選任など自主的な保安管理が求められます。また電気事故時などは、経済産業省に報告する義務も課せられます。

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PPAの設備は保守管理不要?

自家用電気工作物には電気主任技術者の選任が必要ですが、多くの事業場では電気保安管理業務外部委託承認制度を活用して、電気保安保安法人や電気管理技術者に外部委託しています。

外部委託では設備で契約金額が変わる

外部委託の契約は多くの場合、変圧器の容量や非常用発電機の有無、発電設備の有無で金額が変わってきます。

このような事業場でPPAによる太陽電池発電設備を導入すると、1つの問題が発生します。

外部委託先としては、太陽電池発電設備が増えているので契約金額の増額をお願いします。

しかし設置者としては、「太陽電池発電設備の保守管理はPPA事業者でするから不要だ」や「そもそも太陽電池発電設備の所有者は、PPA事業者だからそっちに言ってくれ」などと言われます。

設置者の言い分も一理ありますが、電気事業法的にはどうするべきなのでしょうか。

問題は2つに分かれる

まず、この問題は2つの要素に切り分けて考える必要があります。

  1. 外部委託金額の増額分の負担
  2. 自家用電気工作物の範囲と責任

①については誰が負担するかなので、外部委託先、設置者、PPA事業者の三者で話し合うしかありません。PPA事業者との契約でどうなっているのか、PPA事業者のスタンスはどうなのかで変わってきます。

これについては、電気事業法とはあまり関係がないので割愛します。

問題は、②の自家用電気電気工作物としての扱いや責任の所在です。

これについては、設置者とPPA事業者の契約内容などは関係ありません。電気事業法でどのように扱われるのかで、電気主任技術者としての責任も変わってきます。

しっかりと理解しておかないと、万が一の事態に大変なことになってしまいます。

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PPAでも自家用電気工作物の一部

自家用電気工作物では、電力会社との責任分界点以降は設置者の責任の範疇となります。

よって自家用電気工作物に電気的に接続されれば、その自家用電気工作物の一部という扱いになります。では、PPAにて設置される太陽電池発電設備はどうでしょうか。

答えは自家用電気工作物の一部とみなされ、設置者が責任を負うこととなります。

自家用電気工作物の設置者からすると、太陽電池発電設備の所有者はPPA事業者なので、自分たちは設置者ではないと思う方もいるかもしれません。

しかし電気事業法での設置者は自家用電気工作物を設置する者とされ、基本的には太陽電池発電設備だけを切り分けることはできません。

特に太陽電池発電設備の事故時には、設置者の責任で届け出る必要があります。

このようなことから自家用電気工作物の電気主任技術者としても、一定の点検が必要となります。

太陽電池発電設備だけを切り分けることもできる

先ほど、太陽電池発電設備だけを切り分けることはできないと話しました。

しかし条件を満たせば、太陽電池発電設備だけを別の電気工作物としてみなすことも可能です。

ただし手続きや書類が煩雑となるので、基本的にはおすすめしません。また場合によっては産業保安監督部が認めない可能性もあります。

この条件として前提となるのが、「太陽電池発電設備単体で事業用電気工作物となる」というのがあります。

太陽電池発電設備では50kW以上で発電所扱いとなり、事業用電気工作物となります。

こうすることで需要設備と発電設備を別々の自家用電気工作物とみなし、明確に責任の所在を示すことができます。

ただし保安規程に下記のポイントを追記しておかないといけません。

  • 図面上で責任分界点を明確にすること
  • 相互の連絡体制を示すこと
  • その他の運用に関する事項を記載すること

責任分界点は、連系用の遮断器の接続点などになります。これらを図面上で明確にする必要があります。

連絡体制は相互の設置者及び電気主任技術者が緊急時などに、確実に連絡が取れるようになっているかがポイントです。

運用については、点検時の連絡など細かい内容について記載する必要があります。

上記の内容がキチンとしていないと、産業保安監督部が認めない可能性があります。

また保安規定は需要設備側、発電設備側それぞれが届け出る必要があります。需要設備側も変更を届け出なければいけません。

まとめ

  • PPAの太陽電池発電設備も自家用電気工作部物の一部となる
  • 事故時の責任は設置者にある
  • 条件を満たせば別の電気工作物とすることも可能

PPAによる太陽電池発電設備の導入は、初期費用及び保守管理不要と謳われて魅力的なものです。

しかし実際は、外部委託であれば電気保安管理業務が増額となる場合があります。自家用電気工作物の設置者であれば、設置する前に電気主任技術者に相談しましょう。

またPPA事業者には、このあたりの説明を確実にして欲しいものです。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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