もらい事故の原因と対策!

高圧受電設備
スポンサーリンク

もらい事故とは?

どうもじんでんです。今回はもらい事故の原因と対策について記事にしました。

もらい事故の基本については、こちらの記事を読んで下さい。

なぜ起こるの?

もらい事故を理解するには、地絡時の電流の流れを理解しないといけません。まずはこの図を見て下さい。

赤色で区分されているA需要家は健全な需要家です。青色で区分されているB需要家のT相で地絡が発生したとします。地絡点は黄色で示した部分で、キュービクル内の高圧機器と思っていただいて構いません。

地絡が発生すると、各需要家の高圧ケーブルの対地静電容量による電流が変電所の変圧器に向かって流れます。この時、地絡しているT相の高圧ケーブルの対地静電容量による電流は発生しません。R相及びS相分の電流が流れます。これが図の赤色と青色で示している矢印の分です。

先ほどの電流は変電所の変圧器の二次巻線を通って合わさり、地絡点に向かって流れていきます。これが図の黄色で示している矢印の分で、T相を通っていきます。

この流れが理解できたらもう分かると思いますが、健全なA需要家も高圧ケーブルの対地静電容量による電流がPASに流れていますよね。これにより電流の大きさ次第では、地絡継電器が動作してしまうのです。

ちなみにB需要家のPASに流れる電流は、黄色の電流から青色の電流を差し引いた分で地絡点の方向に向かって流れます。黄色の電流と青色の電流では向きが逆なので相殺されますが、黄色の電流の方が大きいのでこのようになります。

本来は、変電所に設置のEVTからの電流の流れもあります。今回はややこしくなるので割愛します。

もらい事故を防ぐには?

もらい事故の対策は1つしかありません。それはPASの継電器を地絡継電器ではなく、地絡方向継電器にする事です。

地絡方向継電器は地絡電圧を検知し、電流との位相で電流の向きを判断します。電流が電源側から負荷側なら構内の地絡、負荷側から電源側なら構外の地絡になります。

これにより構外の地絡事故では動作しないようになっています。地絡継電器から地絡方向継電器に変更するには、継電器だけでなくPASの交換も必要になります。

あまり現実的ではありませんが、もう1つ方法があります。それは地絡継電器の電流の整定値を上げることです。対地静電容量による電流が、整定値より少し大きい状態であれば整定値の変更で対策が可能です。

しかしこれは保護協調が関係します。引込みの地絡継電器の整定値は電力会社との保護協調が必要になり、勝手に変更する事は出来ません。

スポンサーリンク
スポンサーリンク

まとめ

  • もらい事故を理解するには、地絡時の電流の流れを理解しよう
  • もらい事故は高圧ケーブルなどの対地静電容量によって発生する
  • 対策はPASの継電器を地絡方向継電器にする
  • 地絡継電器でも整定値の変更で対応可能な場合もある

今回はもらい事故について記事にしました。何となくは理解していても、きちんと理解できていない方も多いのではないでしょうか?最近は高圧ケーブルの長さに関わらず地絡方向継電器を設置されることも多くなってきています。なのでもらい事故の可能性も少なくはなっていますが、電気主任技術者に必要な知識だと思います。

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです。

コメント