デマンドと電気料金の関係

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どうもじんでんです。今回はデマンドと電気料金の関係についてのお話です。理解して上手に活用すれば、電気料金の削減が可能です。

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デマンドとは?

一般的にデマンドには色々な意味がありますが、電気料金の話に出てくるデマンドは、30分間の平均使用電力です。

電気メーターでデマンドを計測して、これを元に電気料金の基本料金を算定しています。

デマンドについての基本はこちらの記事をご覧下さい。

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デマンドがどう関係するのか?

デマンドが電気料金に関係するのは、高圧で受電する需要家です。一般家庭など低圧で受電する低圧需要家は対象外です。

高圧需要家ではデマンドによって基本料金が決まります。後で詳しく書きますが、最大デマンド=契約電力となります。

基本料金は次の式で決まります。

基本料金=契約電力(kW)×単価(円)×力率割引(%)

契約電力が小さいほど基本料金が安くなる計算です。

更に力率を100%に近づけることで、基本料金の割引を受けられます。電気料金の力率割引の詳細については、こちらの記事をご覧ください。

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最大デマンドとは?

電力会社のメーターは30分毎にデマンドを計量し、1ヶ月間の最大値を記録しています。1時間に2回のデマンドが計量されます。例えば9:00〜10:00で考えると、9:00〜9:30と9:30〜10:00の2回です。

そうなると1日で48回、1ヶ月(30日)なら1440回のデマンドが計量されます。

1ヶ月間の中で1番大きい値が、当月の最大デマンドとなります。

契約電力の決め方

高圧需要家には契約電力の大きさによって、高圧小口需要家高圧大口需要家に分かれます。

契約電力の決め方は高圧小口需要家は実量制を、高圧大口需要家は協議制を採用されています。

協議制

協議制は電力会社と需要家で、事前に契約電力を決めておくものです。デマンドが契約電力を超えないように、デマンド監視や対策を求められます。

万が一、超えてしてしまうと超過金を請求されます。超過金は、超えた電力を通常より高い単価で計算されたものになります。

通常は想定される最大デマンドより若干、高い契約電力に設定します。

実量制

実量制は電力会社のメーターで計量された最大デマンドで、自動的に契約電力を決める方法です。

注意が必要なのが、契約電力は当月の最大デマンドだけ決定する訳では無い事です。

契約電力は、当月と過去11ヶ月の計12ヶ月間の最大デマンドで決定されます。

なので一度デマンドが高くなると、最低でも1年はそのデマンド値が契約電力になり下がる事はありません。

電気料金を削減するには最大デマンドを抑える

高圧大口需要家では協議制の為、簡単に基本料金の削減はできません。しかし高圧小口需要家であれば、最大デマンドを少なく抑える事で基本料金の削減が可能です。

先ほども説明しましたが、実量制では過去1年の最大デマンドが基本料金となります。

1ヶ月で1440回、1年で17520回の内での最大デマンドが契約電力となります。仮に1回でも極端に高いデマンドが発生すると、それが契約電力になってしまいます。

殆どの需要家が、エアコンなどを使う夏場に最大デマンドが発生します。しかも最大デマンドが出ているのは数日ないし数回です。この数日を工夫するだけで、1年間の基本料金を削減できます。

デマンドを抑えるには?

では実際にデマンドをどのようにして抑えるのでしょうか?

まずデマンドは通常では見る事ができません。電力会社からの請求書で、当月の最大デマンドしか知る事ができません。

これでは後の祭りでどうもできません。

現在は様々なメーカーや企業からデマンド監視装置なる製品が販売されています。

これらを導入すると、その時々のデマンドを可視化できます。それだけでなく、現在の使用量からデマンドを予測して警報を鳴らし抑制を促してくれます。

しかし導入コストやランニングコストが必要です。ある程度のデマンドの抑制が見込めないと逆効果になります。

簡単にできるデマンドの抑制

先ほどの機器を導入せずとも、デマンドを抑制する方法があります。

デマンドとは言い方を変えると「30分間にどれだけ電気を使ったか」となります。

電気は機器の起動時に1番、電気を消費します。例えばエアコンなんかは、電源を入れて冷やし始めの内が電気を最も消費するのはよく知られている事です。

高圧需要家であれば、多くのエアコンが設置されているかと思います。朝の出勤時に、一斉にエアコンの電源が入るとデマンドが急上昇します。

これの対策として同じ30分間に一斉に起動するのではなく、3グループ位に分けて違う30分間に電源を入れるだけでデマンドを抑制できます。

早めに電源を入れると、使用時間が増えて使用量が増えます。しかし年間の基本料金が上がるのに比べれば、微々たるものでしょう。

エアコンだけでなく色々な機器に言える事です。意識するのは、「同じ30分間に機器を起動しない」「グループを作り違う30分間で起動する」を徹底する事です。

これだけで少しはデマンドを抑制できるでしょう。しかし結果は請求書が来ないとわかりませんが。

まとめ

  • 契約電力は最大デマンドにより決まる
  • 契約電力の決め方は、実量制と協議制がある
  • 実量制では過去1年間の最大デマンドで契約電力が自動で決まる
  • 最大デマンドを抑制すると基本料金を削減できる

電気はインフラとして必ず必要なものです。できる限り電気料金を安くしたいのは、誰しもが思っている事と同じ思います。高圧需要家においてはデマンドを理解して、電気料金の削減に貢献できればと思います。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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