どうもじんでんです。受変電設備では、誤った操作をすると短絡や逆潮流したりなど、1つのスイッチの操作で重大な事故に繋がる恐れがあります。
それらを防ぐために操作者が正しい知識を持つことや、マニュアルやチェックシートを用いるなどの対策があります。しかし所詮は人が操作するとなれば、ヒューマンエラーが0にはなりません。
そんな危険を有するスイッチ操作を万が一、人が間違って操作しても動かないようにする機構があります。それがインターロックです。
今回は様々な場面で使用されており、電気設備でも活用されるインターロックについて解説します。
インターロックとは?
インターロックとは、機械や設備の安全を守るための機構です。
ある動作を実行するためには、事前に設定した条件が満たされていないと、その動作を禁止する仕組みです。
インターロックはインタロックとも呼び、どちらも英語の「interlock」が由来です。interlockはinterとlockを組み合わせた造語で、「互いにロックする」という意味です。
インターロックは身近な場面でも使用されています。
一例を挙げるとエレベーターではドアが閉まっていないと、運転が開始されないようにインターロックがかかっています。言い換えるとドアが閉まっているという条件が満たされなければ、運転開始の動作は禁止されているということです。
これによりドアが開いたまま動き出すという危険を排除しています。
インターロックの種類
インターロックには、様々な種類があります。ここでは代表的なインターロックの種類を解説します。
機械的インターロック
機械的インターロックは機械的な機構により、物理的にインターロックをかける方法です。
機械的インターロックは、電気的な接点を用いないインターロックなので、電気的な故障の影響を受けにくいメリットがあります。またシンプルな構造な為、メンテナンスが容易というメリットもあります。
しかし複雑な条件を設けるインターロックには不向きなのがデメリットです。
例として非常時の予備系統を引き込んでいる分電盤には、主幹ブレーカーが2つ(常用系と非常系)あります。この2つのブレーカーは同時に「入」になってはいけません。
その為に2つのブレーカーの操作ハンドル上にスライド板を設置して、片方が入の時には、もう片方はスライド版が邪魔をして入にできないようにしています。
電気的インターロック
電気的インターロックは、電気的な接点を用いる方法です。
電気的インターロックは電気的に制御するので、機械的インターロックに比べて柔軟な制御が可能です。また遠隔地からの操作に対応するのもメリットです。
しかし電気的な故障の影響を受けやすく、メンテナンスが難しいのがデメリットです。
例として、2つのマグネットスイッチの起動回路に互いのb接点を入れることで、片方が運転している時は、もう片方は運転ボタンを押しても運転しない様にできます。
これにより同時に運転するのを防止するインターロックが実現できます。
インターロックの実例
ここからは受変電設備の実際のインターロックの例を用いて、よりインターロックの理解を深めましょう。
受変電設備のインターロックでよく用いられるのが、断路器と主遮断器のインターロックです。
断路器は電流が流れている状態で開閉操作をするとアークが発生し、設備及び作業者が危険に晒されます。これを防ぐためにインターロックがかけられています。
断路器を安全に操作するには、電流が流れていない状況を作る必要があります。電流が流れないようにするには、主遮断器が切となっていればいいです。
よって断路器の開閉操作の条件に、「主遮断器が切であること」のインターロックを組むと安全です。
このインターロックを組む方法は様々です。
断路器の種類にもよりますが、断路器にソレノイドロックがあり、ソレノイドに通電することでロックを解除させるものがあります。
これであれば主遮断器のb接点をソレノイドの通電回路に組み込むことで、インターロックが可能です。
主遮断器が切の時はb接点が閉じてソレノイドに通電し、ロックが解除され断路器の操作が可能となります。
逆に主遮断器が入であればb接点が開くのでソレノイドに通電することはなく、ロックが解除されずに断路器の操作が不可となります。
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