【電気用語解説】波及事故

【電気用語解説】波及事故のアイキャッチ 電気用語
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どうもじんでんです。今回は、波及事故についての解説です。

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波及事故とは?

波及事故とは需要家の構内の電気事故で、周囲一帯を停電させてしまう事です。主に高圧受電の需要家によるものを指すことが一般的です。

因みに「波及事故」の読み方ですが、「はきゅうじこ」と読みます。

通常は需要家の構内で電気事故が起きれば、様々な保護装置で保護されます。この場合は、構内の全部又は一部の停電が発生します。これにより他の需要家は、停電せずに済んでいます。

しかしいくつかの要因により、構内の電気事故で電力会社の変電所の保護装置が動作し停電する事があります。変電所の保護装置により遮断器が遮断すると、大規模な停電が発生します。これはエリア毎に低圧受電の需要家も高圧受電の需要家も、同じ配電線で繋がっている為です。

ちなみに構内の短絡によるSO動作時の1回目の電力会社の停電は、波及事故には該当しません。

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波及事故による報告

波及事故を起こすと、経済産業省の保安監督部へ電気事故報告書を提出しなければいけません。これは「電気関係報告規則」にて定められています。

需要家による波及事故は 、電気関係報告規則の第3条第1項第11号に該当します。

事故報告の流れは次の通りです。

  1. 事故発生
  2. 速報…事故の発生を知ってから24時間以内に報告(メールや電話などによる)
  3. 詳報…事故の発生を知った時から30日以内に提出(専用の様式による)

原因の内容によっては、立入検査の対象になる事があります。

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波及事故による損害賠償

波及事故の原因の一部は、事故が発生した需要家にあります。

波及事故が発生すると付近一帯を停電させてしまします。周囲の需要家からすれば、停電による損害が発生している場合があります。例としては、停電による製造ラインの停止による機会損失や不良品によるものなどです。

この停電の原因が自然災害によるものであれば、しょうがない部分もあり責任の追及はできないでしょう。

しかし停電の原因が波及事故によるものであれば、その責任を波及事故を発生させた需要家に求める事ができる場合があります。このことから、波及事故を起こした需要家に対して損害賠償の請求が行われる場合があります。

電力会社も過去は、波及事故の詳細を開示していませんでした。しかし近年では、場合によては波及事故の原因となった需要家の情報を開示しているようです。

波及事故の原因

波及事故の原因については、こちらの記事で解説しています。

併せてご覧ください。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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