どうもじんでんです。今回は逆潮流について解説したいと思います。太陽電池発電設備など発電設備に関わる重要な言葉です。
逆潮流とは?
逆潮流とは、電気が電力会社側に向かって流れる事です。
電気は通常、電力会社から需要家に向かって流れています。これを「順潮流」とも言います。これは需要家が電気を消費しているからです。
しかし需要家に発電設備があると、逆に電力会社側に向かって電気が流れる場合があります。これは、発電設備を有している需要家の電気の消費量より発電量が多くなった場合に発生します。
逆潮流の例
例えば、5kWの太陽電池発電設備を有している一般家庭があるとします。天候がよく5kWの発電量があるとします。この状態でこの家庭の消費電力が1kWだとすると、4kWの電力が余ります。電気は余っても消えることはなく、電線が繋がっていると必要としているところへ流れようとします。
この時の4kW分が逆潮流していると言えます。
この逆潮流した電気は、電力会社の電気と混ざり付近の需要家で消費されます。
逆潮流とは売電する事
逆潮流は、電力会社に向かって電気が流れる事と説明しました。逆潮流により流れた電気は他の需要家で消費される為、小さな発電所として機能します。これにより、電力会社は発電量を減らせるのでメリットがあります。なので電力会社は逆潮流した電気を買い取ってくれます。これを売電といいます。
しかし最近は太陽光発電設備の増加により、電源品質の安定の問題などから電力会社としてもメリットが少なくなっている気がします。これにより買取金額は減少傾向にあります。
大規模なメガソーラーと呼ばれる太陽光発電所は、殆どの電気を売電しており逆潮流していると言えます。
逆潮流を防止するには
逆潮流は売電目的でなければ本来は良くない事です。
売電目的であれば、きちんと保護装置が設置されており問題ありません。しかし本来、売電目的でない発電設備が逆潮流すると様々な問題が発生します。なので逆潮流しないようにしないといけないけません。
系統連系する発電設備を有している高圧需要家などがその例です。
この発電設備は、ピーク時のデマンドを抑制する事を目的としています。その為、全ての発電量を構内で消費する様に設計されています。しかし何かしらの故障で逆潮流する可能性があります。
これを防止する為に、逆電力継電器(RPR)を設置します。逆電力継電器により逆潮流を検知して信号を送り、「発電機の停止」や「遮断器の切」をして逆潮流を防止します。
バンク逆潮流
逆潮流に関する言葉で、「バンク逆潮流」という言葉があります。これは電力会社の変電所の変圧器容量を超えた発電量が発生し、上位系統へ逆潮流する状態を指します。
従来はその様な状況を考慮しておらず、それらについて対策がなされていませんでした。仮にこの状態で逆潮流が発生すると、電源品質の劣化や保護協調不良が考えられます。
しかし太陽光発電所の増加によりバンク逆潮流の可能性があり、太陽光発電所が連系できず建設できない事態が発生しました。
これを解消する為に、2013年5月31日に「電気設備の技術基準の解釈」や「電力品質確保に係る系統連系技術要件ガイドライン」が改正されました。
これにより発電事業者が、変電所の逆潮流対策工事の費用を負担する事でバンク逆潮流が可能になりました。
図
簡単に「順潮流」「逆潮流」「バンク逆潮流」を図にしました。
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