力率改善による電気料金の割引

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どうもじんでんです。今回は力率改善による電気料金の割引について解説します。力率割引は、比較的に簡単に電気料金を削減できる方法です。

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電気料金の仕組み

まずは電気料金が、どの様に決められているかを説明します。今回は力率割引が関係する、高圧需要家に絞って説明します。

高圧需要家の電気料金は次の様に決まります。

電気料金 = 基本料金 + 使用量 + 再エネ賦課金 + 燃料調整費

またその中でも、基本料金は次の様な内訳になります。

基本料金=契約電力×単価×力率割引

力率割引は、力率を改善する事により受けられる割引です。計算式を見てわかる様に、力率の改善は基本料金の割引に大きく関係します。

また契約電力はデマンドにより決まります。このデマンドも電気料金に大きく関わってきます。デマンドと契約電力についてく詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

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力率とは

まず始めに力率について知っておく必要があります。

力率について詳しくはこちらの記事をご覧下さい。

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力率改善による割引

電力会社は、力率の基準を85%としています。そこから100%に近づくのを改善とし、逆に0%に近づくと悪化とします。

そして力率を1%改善する毎に1%の割引を受けられます。悪化すると1%の割増が発生します。

最大で15%の割引を受けることができます。

なぜ力率改善で割引かれるの?

力率が悪いと、実際に消費される電力以上に電力を供給しないといけません。この供給する電力を皮相電力と言います。しかし電気使用量として計測されるのは消費電力だけです。

電気を供給するにあたり、電力が大きくなると比例して対応する供給設備が必要になります。代表的なのは変電所の変圧器や、送電線や配電線などの電線です。変圧器の容量を大きくしたり、電線のサイズを大きくしなければなりません。

逆にいうと力率が悪い需要家が多いと、供給設備を圧迫してしまうとも言えます。しかし電気料金としては消費電力しか請求できないので、電力会社は損をしてしまいます。

よって需要家が力率を改善すると、電力会社は供給設備を効率的に利用できます。供給設備を効率的に活用できるということは、設備投資が少なくなるとも言えます。

これが力率改善で割引を受けることができる理由です。

どの様に計測しているのか?

力率は、需要家毎に電力会社のメーターにて計測されています。

1ヶ月間の毎日の昼間時間帯(8時〜22時)に計測された、有効電力と無効電力から当月の力率を算出します。

メーターを見た事がある方はご存知かもしれませんが、メーターに検針時の力率が表示されます。これは全日の平均力率で、力率割引の為の計測ではないので注意が必要です。しかしこれが100%を表示していれば、自ずと昼間力率も100%といえますね。

あくまでも力率割引に算定する力率は、昼間時間帯の有効電力と無効電力から算出されます。

力率が短時間だけでも悪くなったらどうなる?

多くの高圧需要家では、高圧進相コンデンサによる一括での力率改善をしています。

これは比較的に安価な力率改善方法です。しかし高圧進相コンデンサの故障などにより、回路から自動的に切り離される可能性があります。そうなると力率が一気に悪化します。

この高圧進相コンデンサの切り離しに気付かないと、力率割引を受けることができない可能性が高いです。

では故障警報などで素早く高圧進相コンデンサの異常に気付き、復旧させた場合はどうなるでしょう?単純に考えると、どう考えても100%にはなりません。しかし場合によっては100%を維持できる場合があります。

電力会社の供給約款の力率の項目には次のように記載があります。

力率の単位は,1パーセントとし,その端数は,小数点以下第1位で 四捨五入いたします。

これから言えることは、99.5%以上は100%として扱うということです。力率が悪化していた時間と全体の使用量にもよりますが、力率を100%を維持できる可能性があります。

参考として知っておくと良いでしょう。

※この供給約款は九州電力のものを参照しています。電力会社によっては、違う可能性がありますのでご注意下さい。

力率改善の方法

これについては別の記事にしたいと思います。

もうしばらくお待ち下さい。

まとめ

  • 力率を改善すると電気料金の割引を受けられる
  • 力率割引は基本料金に適用される
  • 需要家の力率が改善すると電力会社は設備を効率的に使える
  • 力率は昼間時間帯の有効電力と無効電力から算出される

力率割引は、簡単に電気料金を安くする方法の1つです。もし現在の力率が悪ければ、検討する価値があるでしょう。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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