どうもじんでんです。電気機器には様々な絶縁物が使用されています。その1つとしてガスがあり、主にガス開閉器やガス絶縁開閉装置(GIS)で利用されています。
このガスにはSF6ガスというものが使われています。
高圧需要家においてはガス開閉器は少なくなりましたが、特高機器ではガス絶縁開閉装置(GIS)が主流として活用されています。
今回はそんなSF6ガスについて解説します。
SF6ガスとは?
SF6ガスは「六フッ化硫黄ガス」と言います。
非常に高い絶縁性能があり、アークの消弧能力も高いため、電気機器の絶縁媒体や消弧媒体として利用されています。
絶縁性能は空気の約3倍、消弧能力は空気の約100倍の能力があります。
SF6ガスの特性
SF6ガスは下記の特徴があります。
- 科学的に安定している
- 不活性、不燃性、無色、無臭の気体
- 人体に対して無害
- 腐食性や爆発性がない
- 液化温度が低い
またSF6ガスより絶縁性能が高い気体は存在しますが、そのほとんどが低温で液化してしまう為に実用に適しません。しかしSF6ガスは液化温度が低いので、気体の状態を維持できます。
このような特徴から、電気機器の絶縁物として利用されてきました。
SF6ガスの環境への影響
昔はオゾン層を直接破壊しないことから、環境にも影響しないと思われていました。しかし後に地球温暖化に大きな影響があることが判明しています。
2005年2月発行の京都議定書の温室効果ガスの対象の6種類の1つが、このSF6ガスとなっています。
よって現代では、SF6ガスを大気中に放出することは認められていません。よってSF6ガスを使用した機器を廃棄する場合は、SF6ガスの回収及び処理が必要となります。これは大気汚染防止法に定められています。
SF6ガスの代替
このような事情によりSF6ガスの代替ガスの研究などが進められていますが、これまでに代替となる物質は発見されていません。
しかし最近ではSF6ガスを使用しない、ガス絶縁開閉装置(GIS)が開発されて導入されつつあります。このガス絶縁開閉装置(GIS)には自然由来の窒素と酸素の混合ガスが使用されています。
しかし絶縁性能などはSF6ガスより劣るので、機器が大型になるというデメリットがあります。
コメント