どうもじんでんです。今回は、電気の仕事で使う「ビニルテープ」と「自己融着性絶縁テープ」の違いについてまとめました。
皆さんは、それぞれの特徴を捉えて使い分けできていますか?
電気の仕事でよく使う2つのテープ
電気工事などでは、よくテープによる絶縁処理をします。絶縁処理だけでなく、電線の固定や結束にも使用する事があります。
そこでよく使われるのが「ビニルテープ」と「自己融着性絶縁テープ」です。まずはこれら2つのテープの概要についてまとめます。
ビニルテープの概要
ビニルテープは、「絶縁テープ」などとも呼ばれるテープです。
実はビニルテープは、日本産業規格(JIS)で規格化されています。そこでの正式名称は「電気絶縁用ポリ塩化ビニル粘着テープ」とされています。
電気の仕事に使用するなら、キチンとJISマークのついている商品を選ぶといいでしょう。
自己融着性絶縁テープの概要
自己融着性絶縁テープは、「ブチルゴムテープ」などとも呼ばれます。
自己融着性絶縁テープは「エフコテープ」と言う古河電工パワーシステムズの商品が1番有名かと思います。
具体的にはエフコテープ2号がよく使われているのではないでしょうか。
エフコテープが有名な事から、私の周囲では自己融着性絶縁テープ=エフコテープとなっています。
自己融着性絶縁テープは、「日本電力ケーブル接続技術協会(JACC)」にて「JCAA D 004 黒色粘着性ポリエチレン絶縁テープ」として規格されています。これは内線規程でも、指定されている規格です。
電気の絶縁に使用する場合は、これに適合している商品を使用しましょう。
ビニルテープと自己融着性絶縁テープの特徴
ビニルテープと自己融着性絶縁テープは、どちらも電気の絶縁の為に使用されるテープです。
しかしそれぞれに特徴があります。この特徴を知る事で、適切な用途で使用する事ができるでしょう。
それぞれの特徴をまとめます。
ビニルテープの特徴
ビニルテープは絶縁性能の面では、低圧回路の絶縁に使用できます。
ビニルテープに接着剤が付いており、その接着剤で対象物にくっつきます。低温の環境でも使用できます。高温の環境では、接着剤が溶けてベタベタするデメリットがあります。
また燃え難いという特徴もあります。
自己融着性絶縁テープの特徴
自己融着性絶縁テープは絶縁性能が高く、高圧回路の絶縁にも使用できます。種類によっては特別高圧にも対応しています。
自己融着性絶縁テープはテープ同士がくっつく為に、耐水性に優れます。また接着剤が無いので、ベタつかない特徴があります。
また耐候性が低いデメリットがあり、屋外などの使用は注意が必要です。
ビニルテープと自己融着性絶縁テープの使い分け
ビニルテープと自己融着性絶縁テープの使い分けについて考えてみましょう。
電圧区分
絶縁目的で使用する場合で、電圧区分で考えてみます。
絶縁テープは低圧回路にしか使用できませんが、自己融着性絶縁テープなら高圧回路にも対応しています。
絶縁性能の面では、自己融着性絶縁テープは高圧回路でも低圧回路でも使用できるが、ビニルテープは低圧回路に限られます。
耐水性
テープによる絶縁処理する場所が、水分が浸入する可能性がある場所や高湿の場合はどうでしょうか。
この場合は、電圧区分に限らず自己融着性絶縁テープを使用するのが良いでしょう。
自己融着性絶縁テープの特徴から、高い密着性があり水分が浸入する事を防ぐ事ができます。
耐候性
環境が屋外などの場合について考えてみましょう。
屋外にビニルテープは耐候性に優れていますが、自己融着性絶縁テープはそうではありません。
よって自己融着性絶縁テープを屋外で使用する場合は、最後に仕上げとしてビニルテープを巻くと良いでしょう。
まとめ
ビニルテープも自己融着性絶縁テープもそれぞれ得意不得意があり、使用する環境によって使い分けが必要です。
誤った使用をすると、劣化が早まり絶縁性能が低下してしまいます。適切に使用しましょう。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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