電気主任技術者必見!クランプメーターを使った漏電調査の方法

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どうもじんでんです。電気設備で怖いのは漏電です。

漏電は火災や感電の原因となります。特に電気主任技術者がいる様な自家用電気工作物では、漏電ブレーカーがない回路も多く、漏電しっぱなしなんて状況もありえます。

漏電が発生したら、漏電箇所を特定するのも電気主任技術者の大事な仕事です。

しかし漏電箇所の特定は、経験が無いととても難しいものです。どうしていいか分からないなんて人もいるのではないでしょうか。

ここでは漏電調査の方法について解説します。

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漏電とは?

漏電とは地絡している状態を指し、漏電と地絡は同義的に扱われます。

本来、電気は電線など必要な部分にしか流れないようになっています。不要な部分に電気が流れない様に絶縁物で絶縁してあります。

経年劣化など何らかの理由により絶縁物が機能しなくなり、電気が流れてはいけない部分に電気が流れることを漏電といいます。

漏電の代表的な例としては、電線にネジを打ってしまったなどが挙げられます。

漏電について詳しくはこちらの記事をご覧ください。

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漏電調査の基本

漏電調査と一口に言っても状況は様々です。ここではまず、漏電箇所特定の基本について解説します。

漏れ電流の測定方法

漏電箇所の特定には、漏れ電流の測定が必要となります。漏れ電流の測定にはクランプメーターを使用します。しかし漏れ電流は数十mA程度しかない場合もあり、通常のクランプメーターでは有効な測定ができません。

そこで漏電調査には、リーククランプメーターを使用します。リーククランプメーターは使い方や外観は普通のクランプメーターと変わりませんが、1mA単位でも測定できるクランプメーターとなっています。

通常のクランプメーターで電流を測定する際は、電線1本をクランプすることで負荷電流を測定できます。しかし漏れ電流の測定には回路の電線をまとめてクランプします。3Pなら3本、2Pなら2本まとめてクランプします。

配電方式による測定方法は下記の画像をご覧ください。

漏れ電流測定のクランプ方法

負荷電流の測定方法とは違うので注意しましょう。

漏れ電流の流れ

交流回路では電源から負荷に流れ、最後はまた電源に帰ってきます。

これは漏電状態でも同じで、漏れた電流は大地を通って変圧器のB種接地へと帰ります。そしてまた地絡点へと向かって流れを繰り返しています。

これらから漏電している箇所より電源側も、漏れ電流が検知できます。

なので漏電したら変圧器のB種接地線で漏れ電流を確認して、この変圧器の直下に接続されるブレーカーの漏れ電流を測定します。すると漏電している箇所が接続されるブレーカーのみ漏れ電流が流れています。

そして漏電しているブレーカー直下の分電盤へ移動して、分岐のブレーカーをこれまでの同様に測定します。

これを繰り返していくと漏電箇所を絞り込むことができます。

漏れ電流の流れ

最後は絶縁抵抗測定

漏電箇所を特定したら、最後は停電して漏電している回路の絶縁抵抗測定をしましょう。間違っていなければ、絶縁不良の値が出るはずです。

そもそも最初から停電できるのであれば、絶縁抵抗測定で漏電箇所を特定する方が簡単です。

しかし漏電しているからと言って中々、停電できないのが現状です。ある程度の範囲を絞ってから停電することが求められます。

また場合によっては、漏れ電流では特定できない状況もありえます。そんな時の最終手段は、停電しての絶縁抵抗測定となります。

絶縁抵抗測定の方法については、こちらの記事をご覧ください。

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漏電調査のヒント

漏電は様々な状況で発生します。経験したことのない状況に追い込まれて、どうしていいか分からないこともあるでしょう。

私もこれまでに色々な漏電に遭遇しましたが、分からないときは先輩方に相談してヒントを貰いました。

ここでは、こんな時はどんな状況が考えられるかなどを紹介します。漏電調査のヒントになればと思います。

現場では漏電していない

漏電調査をしていて送り出し回路では漏電しているのに、現場の分電盤では漏電していないことがあります。

これは次の状況が考えられます。

幹線で漏電している

まずは幹線で漏電している可能性です。幹線の途中で漏電していれば、現場側では漏電しません。この場合は送り出しブレーカーから停電して絶縁抵抗測定すれば特定できるでしょう。

分岐して他の回路が接続されている

幹線が途中で分岐して、実は他の分電盤にも送られている可能性もあります。図面などで他の分電盤が無いかを確認しましょう。

漏電しているが絶縁抵抗は良好

漏電している回路を停電させて絶縁抵抗測定すると、結果は良好という場合があります。

これは機器内にマグネットスイッチが入っている可能性があります。マグネットスイッチは停電すると開路されるので、電源回路からの絶縁抵抗測定では測定できません。

機器内部のマグネットスイッチ二次側を測定しましょう。

しかし機器によっては損傷する可能性があるので、その機器が漏電していると判断できたら、後は専門業者に任せましょう。あまり下手に触らない方がいいです。

まとめ

  • 漏電調査は漏れ電流を追求する
  • 漏れ電流の測定はリーククランプメーターを使う
  • 最後は絶縁抵抗測定

漏電調査は電気主任技術者の大事な仕事です。また手際よく特定するには、普段からの回路や分電盤、設備の把握が大事となってきます。図面なども整備しておきましょう。

しかし電気は奥深いもので、私でもまだまだよく分からない状況にも遭遇します。少しでも皆さまに共有できればと思います。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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