どうもじんでんです。皆さんテスターって持ってますか?電気屋に必須の道具ですよね。テスターには小型なものから大型のものまで、様々な種類があります。現場で持ち運ぶには小型なカードテスターが便利ですよね。ですが電圧範囲が大丈夫だからと、全ての場所をカードテスターで測定していませんか。
実は測定カテゴリー(CAT)というものがあり、カードテスターでは測定してはいけない場所があります。詳しいことは後で解説しますが、その様な場所を測定できるテスターが必要です。
そこでおすすめするのが、HIOKIのDT4223です。 これならば、どの様な場所でも安全に測定できます。
特に電気主任技術者など、高圧受電設備に触れる人におすすめです。
HIOKI(日置電機)のデジタルマルチメータDT4223
HIOKIといえば様々な計測器を発売している、有名な日本の企業です。テスターやクランプメーターなど、電気設備の保守管理に必要な計測器を多く取り扱っています。私も多くのHIOKIの製品を愛用しています。
今回紹介するのはテスターのDT4223です。これの1番の特徴は、測定カテゴリーCAT Ⅳに対応している点です。CAT Ⅳに対応しているテスターでは、これが最小サイズだと思います。
また電圧入力保護機能による、電気事故防止もポイントです。
高圧受電設備の保守管理などで触れることがある人は、カードテスターではなく最低でも、このDT4223を使用してほしいです。
HIOKIのDT4223はこんな人におすすめです。
- 高圧受電設備に触れることがある人
- CAT Ⅳに対応したテスターが欲しい人
- 安全なテスターが欲しい人
その他のおすすめテスターやテスターの選び方については、こちらの記事をご覧ください。
総合評価
製品名 | デジタルマルチメータDT4223 |
---|---|
総合おすすめ度 |
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
サイズ | CAT Ⅳ対応では最小クラス | |
機能 | 直流/交流電圧(自動判別)機能がいい | |
操作性 | 切替スイッチが少し固い | |
付属 | 電圧入力保護機能がいい | |
性能 | True RSMに対応 |
※評価については、他メーカーの同等クラスの製品との比較や、個人的な主観を元に点数を付けています。
スペック
製品名 | デジタルマルチメータDT4223 |
---|---|
直流電圧 | 0〜600V |
交流電圧 | 0〜600V |
抵抗 | 0〜60MΩ |
周波数 | 5㎐~9.999k㎐ |
検電 | AC80〜600V |
サンプルレート | 5回/s |
電源 | 単4アルカリ乾電池 (LR03)×1 |
サイズ | 72×149×38mm |
重量 | 190g(本体のみ、電池含む) 215g(測定コード含む) |
※抜粋して記載しています。詳しくはメーカーのサイトなどをご参照ください。またスペックの一部は実測値を記載しています。
内容品
- 本体
- 測定コード
- 電池
安全に使用できるテスター
HIOKIのDT4223は数あるテスターの中でも、安全に配慮されたテスターといえます。その安全のポイントは2つあります。
- 測定カテゴリーCAT Ⅳに対応
- 電圧入力保護機能を搭載
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
測定カテゴリーCAT Ⅳに対応
皆さんは測定カテゴリー(CAT)をご存じでしょうか。測定器選びで大事なポイントなのですが、まだあまり認知されていない様な気もします。
測定カテゴリーとは、測定場所が電源に近いほど異常電圧が大きく発生する危険が高い為、危険性の高さで区分してもしもの場合でも測定者に危険が及ばない様にする規格です。
測定カテゴリーCATについて詳しくは、こちらの記事で解説しています。併せてご覧ください。
測定カテゴリーの中で、分電盤の一次側や変圧器の二次側は、最も危険が高いCAT Ⅳに区分されます。コンパクトで携帯に便利なHIOKIのカードテスター3244-60は、CAT Ⅲまでしか対応していないので、上記の様な場所では使用できません。
よって高圧受電設備の変圧器二次側の電圧測定をするならば、CAT Ⅳに対応したテスターが必要です。
今回紹介するDT4223は、もちろんCAT Ⅳに対応しています。またCAT Ⅳに対応したテスターの中では、最小クラスのサイズです。さすがにカードテスターのサイズとまではいきませんが、手のひらにギリギリ収まるくらいのコンパクトさです。これならば、腰道具などに入れて携行するのも苦にならないレベルではないでしょうか。
電圧入力保護機能を搭載
HIOKIのDT4223には、電圧入力保護機能というものが搭載されています。
通常のテスターでは、電圧機能以外の抵抗機能や導通チェック機能、静電容量機能を選んだ状態で、誤って電圧印加部に触れると短絡や地絡をしてしまいます。短絡によりアークが発生し作業者が被災したり、ブレーカーが切れて停電したりします。
この電気事故を防止するのが、電圧入力保護機能です。
抵抗機能と導通チェック機能を選択した状態で誤って充電部に触れても、電圧入力保護機能により短絡や地絡を防いでくれます。これは世界初の機能だそうです。
誤って充電部に触れると、画面が赤く点滅及びアラームにより知らせてくれます。
測定前の確認は当然の行為ですが、もしもの時の為に安全装置がついているのは精神的に良いですね。特に経験の浅い人は、この様な事故が発生することを知らないので、誤った使用による事故が絶えません。
その様な人に持たせるテスターとしてもおすすめできます。教育はもちろんですが、事故を防ぐにはハード的な対策も有効です。
DT4223とDT4224の違い
DT4223には、兄弟機としてDT4224があります。基本部分は同じなので、どの様な違いがあるのか、どちらを選べば良いのか迷います。
DT4223とDT4224の違いについて解説します。
共通している部分
DT4223とDT4224は、外観やサイズなどは全く同じです。また測定カテゴリーの対応クラスや電圧入力保護機能など基本スペックも同じです。
下記の測定機能は共通しています。
- 交流電圧機能
- 直流電圧機能
- 周波数機能
- 抵抗機能
- 導通チェック機能
違いは測定機能の違い
DT4223とDT4224の違いは、搭載する測定機能の違いです。先程の共通する機能以外に、それぞれが独自に搭載している機能があります。
DT4223のみが搭載する測定機能
- 直流/交流電圧(自動判別)機能
- 検電機能
DT4223は、電気工事など強電の現場向けです。電圧の直流、交流を自動判別する機能が特に良いですね。
DT4224のみが搭載する測定機能
- 静電容量機能
- ダイオードテスト機能
DT4224は、汎用的なテスターが欲しい人向けです。静電容量やダイオードなど、電子工作をする人に向いています。
豊富なオプション
HIOKIのDT4223には、様々なオプションが用意されています。
この中でも、携帯用ケースとマグネット付きストラップは必須アイテムです。
ぜひ併せて購入しておきましょう。
携帯ケースは本体がすっぽりと収まる、余裕のあるサイズです。内部には1つポケットがついており、書類などの薄いものを収納できます。計測の資料なんかを収めておけて良いですね。
収納ケースにはベルトの通し穴もあります。またこれには、ワンタッチでつけ外しできるようになっているので便利です。
まとめ
- CAT Ⅳに対応している
- 電圧入力保護機能により安全性が高い
変圧器の二次側などCAT Ⅳに該当する場所の電圧を測定する人は、DT4223がおすすめです。カードテスターしか持っていないなんて人は、ぜひCAT Ⅳ対応のテスターを準備しましょう。
また電圧入力保護機能で、より安全な測定を可能にしてくれます。安心して使用することができますね。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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