どうもじんでんです。早速ですが電気の仕事において、大事な道具って何が思い浮かびますか?ドライバーやペンチなどの工具ですか?
もちろんそれらも大事な道具ですが、私が1番大事と考えるのは、目に見えない電気から自分の身を守る検電器です。
電気の仕事では、検電器で充電していない事を確認してから、作業を開始します。これからも、検電器が大事な道具である事がわかります。
そんな検電器にも、色々な種類があります。一言に検電器と言っても性能に大きな違いがあります。検電器の選び方やおすすめについては、こちらの記事をご覧ください。
HASEGAWAの低圧検電器HTE-610L
HASEGAWAというメーカーをご存知でしょうか?あまり見聞きするメーカーではありませんが、検電器ではとても有名なメーカーです。
特に高圧検電器や特高検電器では有名で、扱った事がある人は一度はHASEGAWAの検電器に触れた事があるのではないでしょうか。
そんなHASEGAWAでは、低圧検電器だけでも5種類あります。今回紹介するのは、そんな中でもスタンダードな低圧検電器HTE-610Lです。
HASEGAWAの低圧検電器で、スタンダードなタイプにHTE-610YとHTE-610Lがあります。基本的な部分は同じで、ライトの有無が違いです。私は、ライト付きのHTE-610Lをオススメします。価格はHTE-610Yに比べて高くはなりますが、その差は数百円です。その程度ならメリットの方が大きいです。オマケ程度のライトですが、現場は暗い事も多くあって良かったと思う事も多いです。
またHTE-610Lはスタンダードタイプという事で、交流回路にしか対応していないので注意が必要です。最近は太陽光発電など、直流回路も増えていますがこれでは対応できません。
スペック
使用電圧範囲 | AC50〜600V |
周波数 | 50/60Hz共用 |
電池 | LR44×2 |
連続使用時間 | ライトOFFで10時間 ライトONで5時間 |
サイズ | 130×22×24.5mm |
大きな音とランプで表示
検電器で、1番大切な機能はなんでしょう?
それは電気を検知した時の表示方法です。私もいくつかの検電器に触れてきましたが、中には検知した時の表示に不満がありました。音が小さい、ランプが点で見にくいなどがあり正直、使い物にならないものもありました。それくらい検知時の表示は大切です。
HTE-610Lでは、音と赤いランプにて表示をします。音は大きく、赤いランプもわかりやすいです。赤いランプは発光が強く、本体のプラスチックも透過して全体的に光ります。前方のライトが点いていても、ちゃんと区別して判別できます。
音とランプの2種類による表示は、色々な場面でとても役に立ちます。騒音がある現場だと音では分かりにくく、直接目視できない場面では音による表示が良いです。
電源の入切不要で常に検電できる
低圧検電器には、電源を「入」にしてから検電するものがあります。HIOKIの3480もこのタイプです。しかしこのタイプでは、電源の入れ忘れによるヒューマンエラーが考えられます。充電されていないと思っていたら、検電器の電源を入れ忘れていたなんて、あってはいけない事ですよね。
それを解決するのが、HTE-610Lです。HTE-610Lでは、電源は常にスタンバイ状態です。電源の入れ忘れによるヒューマンエラーを防止できます。
電源が常時スタンバイのタイプは、電池の持ちが少ない事がデメリットです。連続使用時間時間はHTE-610Lは10時間で、HIOKIの3480は15時間と1.5倍の差があります。※どちらもライトOFF状態での時間です。
これを大きい差と感じるかは人それぞれですが、私は電源常時スタンバイタイプのHTE-610Lをオススメします。
被覆の上からでも検電できる
検電器は通常、導体部に直接触れる必要があります。電気工事などで、今から導体部を触るという場合は、これで問題ありません。
しかし既存の回路調査の場合は、どうしても絶縁被覆の上から検電する必要があります。また一部の回路のみ停電させて作業する場合も、どうしても直接導体部を検電器できない場合もあります。
こんな時は、被覆の上からでも検電できるものが役に立ちます。HTE-610Lは、この被覆の上からでも検電できるタイプです。
HTE-610Lを使えば被覆の上からでも検電でき、様々な場面に対応できます。
被覆の上からでも検電できるタイプの検電器では、感度が高すぎてどこでも検知してしまうなどの問題点もあります。実際には停電しているのに、周りの電気を検知してしまうなんて事もあります。
その問題もHTE-610Lなら大丈夫です。感度調整ができる様になっており、使用者の環境に合わせて調整する事ができます。
感度を低くすれば導体部に直接触れないと検知しない様にもできますし、高くすればかなり離れた位置でも検知できます。
更に感度調整について、HTE-610Lがオススメできるポイントがあります。感度調整のボリュームが、工具無しで手で変えられます。HIOKIの3480も感度調整ができますが、ボリュームは精密ドライバーがないと変更できません。
工具無しで変更できると、現場毎に簡単に変えられ使用の幅が広がります。
まとめ
- HTE-610Lはライト付のタイプ
- 検知は大きな音と赤いランプで表示
- 電源は常時スタンバイタイプでヒューマンエラー防止
- 覆の上からも検電でき、感度調整も簡単
HTE-610Lは低圧検電器の中で、おすすめできる製品です。特にこれといったデメリットもなく、どんな場面でも使えます。
直流の回路には対応していませんが、低圧の交流回路ならこれを選んでおけば間違いなしです。
またYouTubeにて動画でも紹介しています。言葉だけではわからない部分もあるかと思いますので、併せてご覧いただければと思います。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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