【電気用語解説】回生電力

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どうもじんでんです。回生電力って聞いたことはありますか。

電気技術者でも、あまり見聞きすることが少ない言葉かと思います。しかし実は身近な場面でも発生している電力の一種です。

電気技術者として是非、理解しておきたいものです。

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回生電力とは?

電動機は電気エネルギーから運動エネルギーを生み出し、発電機は運動エネルギーから電気エネルギーを生み出す違いはありますが、その構造は基本的には同じです。

電気を消費して回転している電動機は、回転を減速する際は電気を必要としません。

しかし慣性により動力側は回り続けるので、電動機が発電機となってしまいます。これにより電動機から電力が発生します。

例を挙げると、電車が走行する時は電動機が電気を受け取って車輪を回転させます。しかし減速する際は、電動機は電気を必要としませんが、車輪は慣性により一定間は回り続けます。この車輪の回転により電動機が回転するので、電動機は発電機となり電力を発生します。

この現象は回生と呼ばれ、発生する電力を回生電力や回生エネルギーと言います。

この回生電力は有効活用することで省エネになるプラス効果もありますが、場合によっては電力系統への悪影響や機器の破損などのマイナス効果もあります。

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回生電力の利用

発生した回生電力を消費することで、電動機に制動がかかりブレーキとして作用します。これを回生ブレーキと言います。

この回生電力の消費は、従来は抵抗器などを接続して消費していました。しかしこの抵抗器での消費は、ただただ熱として放出されるだけで、無駄に消費しているだけです。

回生電力は大きなエネルギーがあるので、有効活用することで省エネに繋がります。よって近年では、有効活用されています。そのいくつかの例を紹介します。

電車の回生電力

電車では減速時に回生電力が発生します。

この回生電力は系統に流すことで、他の電車が電気エネルギーとして利用します。

しかし状況によっては利用する側の電車が少なく、回生エネルギーが効かない場合や無駄になる場合もあります。

エレベーターの回生電力

エレベーターは定格積載量の50%で釣り合う様におもりが付いています。

よって定格積載量より少ない状態での上昇の場合と、定格積載量に近い状態での下降では、電力が必要ないので回生電力が発生します。

この回生電力を系統に流して、他の設備で利用します。

ただし小規模なビルなどでは、発生する回生電力と消費する電力が釣り合わずに利用できない場合があります。

蓄電池に充電する

これまでに紹介した電車やエレベータでの回生電力の利用は、どちらも他の設備で消費するのが前提で、回生電力の発生と同時に消費する必要がありました。

これは大規模な設備であれば問題ありませんが、小規模な設備では導入が難しい面があります。

そこで近年では、蓄電池への充電が導入されています。蓄電池に充電すれば同時に消費する必要が無く、小規模な設備でも回生電力を有効に活用することができます。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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