どうもじんでんです。今回は高圧受電設備の保護継電器の1つである、不足電圧継電器について記事にしました。
不足電圧継電器は保護継電器の一種です。保護継電器の種類については、こちらをご覧ください。
不足電圧継電器(UVR)とは?
不足電圧継電器には色々な呼び方があり、「UVR」や「27」とも言います。「UVR」は「Under Voltage Relay」の頭文字をとった略語です。「27」は日本電機工業会(JEMA)にて定められている「制御器具番号」に由来しています。
不足電圧継電器は、回路の電圧低下を検出する為に設置されます。電圧が整定値を下回ると動作します。
文字記号及び図記号
不足電圧継電器(UVR)の文字記号及び図記号は次の通りです。
関連規格
不足電圧継電器(UVR)に関連する規格などを掲げておきます。
- 電気規格調査会 JEC-2511 電圧継電器
- 日本産業規格 JIS C 0617 電気用図記号
設置の目的
不足電圧継電器は停電や欠相などにおける、回路の電圧低下の検出に利用されます。多くは停電時に動作が必要な機器の、トリガーとして利用されることが多いです。
具体的には次の通りです。
- 非常用発電機の起動
- 真空遮断器(VCB)の遮断
- 電源切替器の非常系への切替
整定値の決め方
不足電圧継電器の整定値には2つの項目があります。
「動作電圧」と「動作時間」の2つです。
動作電圧
何Vまで低下したら動作するかを決める要素です。「動作電圧」で整定した電圧を下回ると動作します。110V回路では一般的に「80〜90V」で整定されます。多くは「85V」に整定されています。
使用機器で厳密に電圧の下限値が決められていない場合は、上記の整定値でいいでしょう。
動作時間
先程の「動作電圧」で整定した電圧が何秒継続したら、継電器を動作されるかの設定です。
一般的に「1〜2秒」に整定されています。多くは「2秒」で整定されています。
動作時間に関しては、あまり早く整定すると電力会社の瞬低などで不必要動作してしまう可能性があるので注意が必要です。
接点の注意
不足電圧継電器では接点の使用に注意が必要です。通常の継電器では「A接点は動作した時に閉」「B接点は動作した時に開」となります。
しかし不足電圧継電器は、停電した時に動作する必要があります。その特性上、電源がなくなっても接点が閉になる様にしなければなりません。
なので不足電圧継電器のB接点は、動作時(停電時)に閉になる様になっています。通常とは逆のように感じ、勘違いしない様に注意しましょう。
これも機種により違いがあるかもしれないのでご注意下さい。
まとめ
- 不足電圧継電器は「UVR」や「27」とも呼ぶ
- 停電時に動作が必要な機器のトリガーとして利用される
- 整定値は「動作電圧」と「動作時間」で構成される
- 一般的に「85V」「2秒」で整定されることが多い
- 接点の扱いは注意が必要
不足電圧継電器は地絡継電器や過電流継電器に次いで、よく設置されている継電器です。難しい内容はありませんが、接点の動きは要注意です。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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