どうもじんでんです。現代において、電気は生活に欠かせないものですね。そんな電気設備で、誰しもが触れる事があるのがコンセントだと思います。電気のプロも素人も誰しもが、普段から使用していますね。
そんなコンセントについて、どれくらい理解しているでしょうか?電気のプロでも、意外と知らない事も多いのではないでしょうか。
今回はそんなコンセントに関して記事にまとめました。
コンセントとは?
コンセントは、正式名称を「配線用差込接続器」と言います。日本産業規格(JIS)にて規格化されており、これによって異なるメーカーであっても使用する事ができる様になっています。
コンセントは、主に壁に埋め込まれた穴の方を指します。コンセントに差す機器側はプラグを呼びます。たまに「コンセントを差す」と表現される事がありますが、差すのはプラグなので誤りですね。「コンセントに差す」か「プラグを差す」が正しい表現です。
一般的なコンセントは100Vを使用しますが、コンセントには様々な種類があり電圧が違う場合もあります。しかしルールに沿って設置されていれば、誤った接続ができない様に穴の形状が違っています。これは知識の無い人でも、安全に使用できる為の対策ですね。
関連規格
コンセントに関連する規格などを掲げておきます。
- 日本産業規格 JIS C 8303 配線用差込接続器
必要な資格
コンセントにプラグを抜き差しするのは、誰でもおこなって大丈夫です。
しかしコンセントの設置などの工事には、資格が必要です。資格は電気工事士という国家資格が必要となります。
電気工事士には第2種と第1種があります。一般家庭は一般用電気工作物となるので、最低でも第2種電気工事士の資格が必要です。
電気工事士資格について詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
最近はDIYの流行により、自分で交換しようや増設しようなどと思われる方もいるかもしれませんが、危険なので絶対にやめましょう。
誤った工事により、作業者の感電や漏電、電気火災などに繋がります。たかが100Vと思われる方もいますが、感電すれば死亡する事も充分に考えられます。
もしコンセントの修理や増設などを考えている人は、必ずプロにお願いしましょう。コンセント工事の依頼先については、こちらの記事で解説しています。
しかしコンセントに関わる物で、資格がなくても取り替えができるものがあります。
それは化粧カバー(プレート)です。これはコンセントの周りのカバーの事です。化粧カバーの交換は、軽微な工事に該当するので、無資格でも大丈夫です。
しかしコンセントにも様々な種類がありカバーもそれ専用の物なので、似ている物を買ってきても付かないなんて事もあるので注意しましょう。
コンセントの種類
私たちがよく目にするコンセントは、2つの穴が空いた物ですね。これは仕様的には、単相100V15Aのものになります。これ以外にも接地極がついた物などが、よく見られるのではないでしょうか。
しかしこれら以外にも、多くの種類のコンセントが存在します。一般家庭では見ない、工場などで使われる物などもあります。
コンセントの種類は次のポイントから分類する事ができます。
- 電圧
- 定格電流
- 接地極の有無
電圧
電圧は3つに分類する事ができます。
- 単相100V
- 単相200V
- 三相200V
一般家庭のコンセントは単相100Vに該当します。電圧が違えばコンセントの形状が変わり、間違っても差さらない様になっています。
定格電流
定格電流は、そのコンセントに流す事ができる電流を指しています。
一般家庭のコンセントは15Aとなっています。IHヒーターやエアコンなどでは、定格電流が20Aのものが使用される場合もあります。
定格電流も電圧と同じで、定格電流が違えばコンセントの形状が変わり、間違っても刺さらない様になっています。
しかし一部には兼用形があり、15A及び20Aどちらも差さる形状のものもあります。
接地極の有無
接地線の取り付けが必須となっている機器は、接地線も一体化しているプラグを使用しているものがあります。このタイプのプラグは、コンセントも接地極一体型のものにしか差せません。
コンセントの形状一覧
コンセントの種類別に一覧表を作成しました。電圧や電流が違えば、穴の形状が大きく変わる事が分かるかと思います。
一見、同じような形状に思えるものもありますが、サイズが違うので誤った接続にならないようになっています。
単相100V用コンセントの一覧
単相200V用コンセントの一覧
三相200V用コンセントの一覧
コンセントの豆知識
ここからは、コンセントに関する豆知識的なものを紹介します。
左右の穴で大きさが違う
普通のコンセントには、2つの長方形の穴があります。これをよく見ると、左右で大きさが違う事はご存じでしょうか。
横幅は同じですが、縦の長さが左は9mmで右が7mmとなっています。これには重要な意味があり、長い左側が接地相で短い右側が電圧相(非接地相)と決められています。接地相では対地電圧が0Vで、非接地相は100Vとなります。
対地電圧は地面との電圧を指しており、0Vなら人が触れても感電しません。しかし誤った設置や漏電しているなど、状況によって必ず左側が0Vとは限らないので安易に触れるのは危険ですので絶対にやめましょう。
対地電圧について詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
では左右で違うコンセントの穴にプラグを差す時は、左右を気にする必要はあるのでしょうか?一般的な機器であれば、左右を気にする必要はありません。安全面や機能的にも何も変化はありません。
よくネット上では、接地相を電気の帰り道やマイナス側、危険な電気を逃す役割などと表現されていますが、これらは誤った表現です。
一般家庭の100Vは交流回路と言われており、2つの穴から電気が右から左、左から右へと絶え間なく移動しています。これは周波数と関係しており、50Hz地域では1秒間に50回、60Hz地域では1秒間に60回変化しています。
プラス、マイナスの表現をするなら、右がプラスで左がマイナスの時もあれば、左がマイナスで右がプラスの時もあります。
よって電気の帰り道やマイナス側という表現は、間違いであると言えます。
また危険な電気を逃す役割は、接地相ではなく接地が担っています。大型家電などでは、プラグに接地線が付いている機器がありますが、この接地線が危険な電気を逃す役割を持っています。接地線をコンセントの接地極に接続する事で、異常時には電気を逃す事ができます。接地線が付いている機器は、キチンと接地極に接続しておきましょう。
接地相と接地線は似て非なる物なので注意しましょう。
プラグの先の丸穴
コンセントに挿すプラグの先端をよく見ると、丸い穴が開いています。これはどんな意味があるかご存知でしょうか。
この穴には、プラグがコンセントから抜けない様にする役割があります。
コンセント内部には、刃受け部分にボッチと呼ばれる突起があります。プラグを奥まで差すとこのボッチがプラグの穴にはまり、ちょっとした事では抜けない様になっています。
稀にプラグに穴が空いていない物も存在するようです。この穴はJISによって定められているものなので、無いものは粗悪な作りがされているのでしょう。もし見つけたら危険なので、使用は中止しましょう。
コンセントは英語なの?
コンセントは一見、英語かなと思われるかもしれません。しかしコンセントは和製英語です。その由来は、「concentric plug(コンセントリック プラグ)」だそうです。
concentricは同心円という意味があります。遥か昔に輸入されたコンセントが円形だった為とも言われています。
では英語でコンセントはなんと呼ぶのでしょうか。
英語では、「outlet(アウトレット)」や「socket(ソケット)」と呼ばれます。アメリカではoutletが主流で、イギリスではsocketが主流の呼び方だそうです。
まとめ
- コンセントの正式名称は配線用差込接続器
- 取付がなどの工事には電気工事士の資格が必要
- 電圧や電流などの違いで様々な種類がある
今回は身近な電気設備のコンセントについてまとめました。電気のプロでも完璧に理解している人は少ないのではないでしょうか。特に種類なんかは、全種類を完璧に覚えている人は多くはないはずです。
簡単そうで難しいコンセントについて、理解が深まればと思います。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
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