高圧受電設備の停電復電の方法と手順

知識

色々ある停電復電の手順

どうもじんでんです。今回は高圧受電設備の停電復電の方法と手順について記事にしました。

高圧受電設備では、保安規程により毎年〜数年に1度の停電点検が必要になっています。その際に設備の停電操作及び復電操作が必要になってくるのですが、手順を誤ると感電やアークによる負傷、機器の損傷に繋がることがあります。



手順の中には絶対に間違えていけない安全に関わることと、なるべく機器に停電復電のショックを与えないようにする為におこなうことの2種類があります。安全に関わることについては、ほとんどの人で違いがないと思います。しかしそれ以外の手順については様々な手順があるのが現実です。書籍や講習などでも違いがあります。今回は私が実施している手順とその理由を書きたいと思います。

世の中には様々な電気主任技術者方がいて、それぞれの経験により導かれた手順があります。今回の記事は決してそれら否定するものでは無く、私の経験と解釈にて書いていますのでご了承下さい。こんな手順や考え方もあるんだなくらいの気持ちで見ていただけるとありがたいです。

停電の手順

  1. 低圧の負荷をスイッチオフやコンセントから抜くなど停止する。
  2. 高圧の主幹にて負荷が無いことを確認する。
  3. PASを開放する。
  4. 検電及び放電をする。
  5. VCBを開放後にDSを開放する。
  6. 短絡接地をDSの一次側につける。
  7. 停電操作完了。

停電についてはこのような順序です。安全面で大事なことはDSは無負荷、無電圧で操作することです。これを間違えるとアークによる負傷が考えられます。有電圧でも無負荷であれば操作は可能ですが、メリットは何もないので可能な限りやめましょう。DSは必ず停電後に操作すると覚えておきましょう。

次に機器を守る大事なポイントとして停電はPASにて一括で実施することです。中には電源系統の下位から開閉器などを開放していく方法があり、まずは受電設備にてブレーカーの開放から始まります。

私はブレーカーの開放の際に電圧サージが発生すると考えている為、停電操作ではブレーカーの操作はしません。電圧サージの発生原因は流れる電流を遮断する時に発生し、その電流の大きさに比例すると考えます。停電操作前に負荷を完全に0Aにできれば問題ないのでしょうが、現実はそうもいかずに少なからず電流が流れていると思います。なので低圧より高圧の方が電流は小さくなり、変圧器を介することで電圧サージの影響が少なくなると考えます。

また電圧サージの影響に関してもう一つ理由があります。ブレーカー開放による電圧サージの保護として「サージアブソーバー」なる商品があります。これは操作前にブレーカーの二次側に設置してから操作することで、電圧サージを抑制してくれるというものです。原理は簡単に言うとコンデンサが内蔵されていて、それが電圧サージを吸収してくれているのだと思います。

高圧受電設備には必ずと言っていいほど、コンデンサが設置されています。これが簡易的なサージアブソーバになってくれていると考えています。

復電の手順

  1. 短絡接地を外す。
  2. DS投入→VCB投入する。
  3. 一括絶縁抵抗測定をする。
  4. GR電源のブレーカーは投入。それ以外のブレーカーは開放する。
  5. PASを投入する。
  6. 電圧を確認する。
  7. ブレーカーを順次、投入する。
  8. 各機器の立ち上げ。

復電時はこのような順序です。安全面のポイントとしては、GRや受電所内の制御系のブレーカーは投入しておくことです。何を言いたいかと言うと、保護装置は受電と同時に電源が入るようにしましょうと言うことです。保護装置が動いていれば何か異常時には動作し、設備や作業者を守ってくれます。なのでGR電源、所内電源、制御電源などは事前に確認してブレーカーを投入しておきましょう。またこれらの電源が電灯変圧器から送電されている場合の為に、主幹のVCBは投入した状態で受電します。ブレーカーを投入していても、変圧器に送電されなければ意味がありません。確実にVCBの一次側に制御用のVTがあり、それで保護装置に送電されるのがわかっていればVCBを切って受電してもいいかもしれません。

機器を守るポイントは受電時はブレーカーは開放しておくことです。停電させた場合は、点検や工事が行われていることがほとんどだと思います。その為、しっかりと変圧器の二次電圧を確認してからブレーカーの投入をしましょう。間違いがあり異常な電圧が機器にかかると、損害はとてつもないものになります。

またサブ変電所がありメインの受電所に送り出しのVCBがある場合は、一括絶縁抵抗測定の後に開放して確認しながら送電した方がいいでしょう。これは安全面でもありますが、突入電流の抑制にも繋がってきます。大規模な受電設備を一度に受電すると、変圧器の突入電流により過電流継電器が動作する場合があります。なので分岐のVCBは開放して受電した方が良いでしょう。送り出しの開閉器がLBSなどの場合は投入しておいて、同時に受電した方が良いでしょう。

まとめ

  • 停電時はPASの開放で一括で停電させる。
  • DSは無負荷、無電圧で操作する。
  • 復電時は保護装置が受電と同時に動くように関係するブレーカーは投入しておく。それ以外は開放しておく。
  • 上記のブレーカー回路の変圧器も同時に受電するように、主幹のVCBは投入しておく。
  • 復電時は送り出しのVCBがあれば開放しておき、受電後に順序送電する。

今回は停電復電の手順について記事にしました。これを見られて色々な意見があるかと思います。

「PASは無負荷で操作すべきなので、先にVCBを開放した方がいい。」、「受電時は主幹のVCBは切っておくべきだ。」, etc.

私自身、完璧な正解は無いと思っています。それは受電設備はどこも同じと言うわけではありません。その現場それぞれに最適な手順があると思います。大事なとこでは保護装置の電源の取り出しをVTからなのか、電灯変圧器からなのかで大きく手順が違ってくると思います。電灯変圧器から取り出している受電設備なのに、主幹のVCBは開放して受電すべきだと言っても意味がありません。というか危険です。それに対して設計が間違っているだの言っても意味がありません。設計段階なら別ですが…。それは今後に活かせば良いだけで、今ある設備の最適な手順を作るのが、電気主任技術者の仕事でもあると思います。

それでこの記事を少しでも参考にして頂ければと思います。この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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