どうもじんでんです。今回は高圧需要家の電気料金に関わる「デマンド」について解説します。
デマンドとは?
デマンドとはデマンド値ともいい、30分間の平均使用電力を指します。本来のデマンドの意味は「要求」や「需要」となります。
しかし電気でデマンドといえば必然と30分間の平均使用電力となります。
高圧需要家では、このデマンド値を元に電気料金の基本料金を算出しています。
デマンド値の考え方
デマンド値は30分間の平均使用電力となります。これは簡単に例えると、50kWの機器を30分間使用するとデマンド値は50kWとなります。この場合は使用電力=デマンド値となります。
しかし電気の使用量は絶えず変化しています。なかなか一定で消費する事はありません。
例えば50kWを15分使用して、その後に30kWを15分使用するとどうなるでしょう?
計算は次の通りです。
(50(kW)×15(分)+30(kW)×15(分))÷30(分)=40(kW)
使用電力×時間をそれぞれ足して、最後に30(分)で割ります。この最後の30分で割るので平均となります。
積み重ねという考え方
デマンドは平均使用電力と説明しました。平均という事は、結果が分からないと計算できません。先程の計算例でも最後に30(分)で割る事でデマンド値を算出しました。
この平均という言葉や計算例により、デマンドが理解し難いものとなっていると思います。
そこで積み重ねという考え方を説明します。
電気を使った瞬間ごとに積み上げて、30分間のデマンド値を算出する方法です。仮に1分単位で考えてみましょう。
60kWを1分単位に換算すると、60(kW)÷30(分)×1(分)=2(kW)となります。これが30分継続すると2(kW)×30(分)=60(kW)となります。
次の画像はこれをグラフに表したものです。黄色は1分間の使用電力2kWを表し、赤はデマンドを示しています。
仮に20分の段階では、2(kW)×20(分)で40kWとなります。
ここで極端な例ですが、20分以降は使用を0kWにしたとしましょう。
すると積み上げがなくなるので、次のグラフのように最終的なデマンドはこれまでに積み上げた40kWとなります。
今回の例では1分で計算しましたが、これは計算を簡単にして理解しやすくする為です。本来はその瞬間毎に積み上げられます。
デマンドを見る為には?
デマンドは一般的な高圧需要家であれば、電気料金の請求書で月間の最大値のみをを知る事ができます。
しかしその時々では知る事はできません。
デマンドをその時々で見る為には、「デマンド監視装置」や「デマンドコントローラー」などと呼ばれる装置を設置しなければなりません。
デマンド監視装置などは電力会社のメーターから信号を貰い、「現在値」「瞬時値」「予測値」などを表示します。電力会社のメーターから信号をもらう事で、精度が非常に高い計測が可能となっています。
製品の中には電力会社のメーターから信号を貰わずに、独自に計測するタイプも存在します。こちらは精度が下がります。
これらを活用してデマンドを低く抑制し、電気料金を削減する事が可能です。
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