どうもじんでんです。今回は混触防止板についての解説です。
混触防止板とは?
混触防止板とは変圧器に設置される、高圧回路と低圧回路が混触するのを防止する板です。
変圧器内には高圧回路(一次側)と低圧回路(二次側)があり、通常は絶縁されています。しかし何らかの理由により、高圧回路と低圧回路が接触する事を混触と言います。
混触が起こると低圧回路に高圧の電圧が印加される事になり、機器の焼損や人への感電が起こります。
この様な事故が発生しない様に、「電気設備の技術基準の解釈」の第24条にて定められています。混触防止にはいくつかの方法がありますが、一般的なのが変圧器低圧側の1端子を接地する事です。これはいわゆるB種接地工事です。
しかし使用電圧300Vを超える低圧回路で中性点を接地できない場合や、低圧回路を接地する事で不都合がある場合があります。この様な場合の混触防止として採用されるのが混触防止板です。
混触防止板付き変圧器では、変圧器内部の高圧巻線と低圧巻線の間に金属板が挿入されています。この金属板が混触防止板であり、これを接地する事で混触を防ぎます。
混触防止板のメリット
混触防止板付き変圧器を採用するメリットは下記の通りです。
- 低圧回路を非接地にできる
- ノイズやサージ電圧に対して遮蔽効果が期待できる
これらの事から、医療機器や電子機器の電源として信頼性の向上が見込めます。
混触防止板の接地について
混触防止板の接地工事は「電気設備の技術基準の解釈」の第24条にて、B種接地工事を施す事となっています。
しかし「電気設備の技術基準の解釈の解説」では変圧器の構造上、種接地工事が難しい場合は変圧器外箱のA種接地工事と共用しても問題ないとされています。これは低圧回路が非接地が故に、低圧回路での漏電時に漏えい電流が殆ど流れず電位上昇が生じる恐れがない為です。
しかしこの場合は接地抵抗値及び接地線サイズなどが、A種接地工事とB種接地工事のどちらの要件も満足している必要があります。
注意事項
混触防止板付き変圧器を採用する上で注意事項があります。
「電気設備の技術基準の解釈」の24条にて、混触防止板付き変圧器の低圧回路を屋外に施設する場合は次の条件があります。
- 低圧電線は、1構内だけに施設すること。
- 低圧架空電線路又は低圧屋上電線路の電線は、ケーブルであること。
- 低圧架空電線と高圧又は特別高圧の架空電線とは、同一支持物に施設しないこと。ただし、高圧又は特別高圧の架空電線がケーブルである場合は、この限りでない。
また混触防止板付き変圧器の低圧回路は非接地となる為に、低圧回路の地絡検出が難しくなります。これは非接地回路では、地絡電流が殆ど流れない為です。
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