【電気主任技術必見】月次点検の方法とポイント

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どうもじんでんです。電気主任技術者業務の1つとして、月次点検があります。月次点検は、何をすれば完璧な点検と言えるでしょうか?

私の経験では、月次点検の方法は知っているけど、なぜその行為をしているのかを理解していない人が少なくない気がします。それではただ記録をとっているだけで、意味の薄い点検となっています。

ここでは月次点検のポイントについて解説します。大事なポイントを解説していますが、月次点検は各事業場の保安規程に則って実施する必要があります。このページに書いてあることだけが、全てではないので注意して下さい。

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月次点検とは?

自家用電気工作物では電気主任技術者を選任して、保安規程に従って点検をする必要があります。その保安規程の中の定期点検の1つとして、月次点検があります。

月次点検は、基本は1ヶ月に1回おこないます。しかし設備の内容によっては、2ヶ月に1回や3ヶ月に1回となっている場合があります。

月次点検は、設備が運転している状態で点検します。

点検内容は大きく、外観点検測定の2つに分けられます。しかし保安管理業務外部委託承認制度を採用している事業場では、先程の項目に加えて問診を実施する必要があります。問診とは、保安規程に定められる日常巡視の代わりとして、設置者へ異常が無かったかを確認するものです。

保安管理業務外部委託承認制度について詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。

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外観点検

外観点検は目視などにより、設備の異常がないかを確認します。ポイントは次の通りです。

  • 異音、異臭がないか
  • 損傷がないか
  • 接地線が接続されているか
  • 過熱及び過熱による変色がないか
  • 電線間、及び他物との離隔は適切か
  • 設置状態は適切か

外観点検では、殆ど測定器を使わずに人の五感を活用して点検をします。

異音、異臭がないか

電気設備から異音や異臭がしていないかを確認します。

これは経験が浅いと、何が異臭で何が異音か判断し難いです。経験を積むと臭いに関しては、電気特有の異臭を判断することができる様になります。

損傷がないか

電気設備設備を目視して、損傷がないかを確認します。

特に損傷により、充電部が露出していないかの確認が重要です。またサビなどにより、外箱の劣化が進んでいないかも点検のポイントです。

接地線が接続されているか

電気設備に接地線が接続されているかを確認します。

負荷設備については人が触る恐れがあるので、よく確認しておきましょう。また水気のある場所なども、重点的に点検しましょう。

過熱及び過熱による変色がないか

電気設備の接続部は、緩みがあると過熱してしまいます。また電線サイズが小さいなど、設計に問題がある場合も過熱します。過熱が無いかと、その痕跡が無いかを確認します。

目視確認および放射温度計を使って温度を測定します。使用していない設備の場合は温度測定では異常が現れないので、電線や端子部を見て痕跡が無いかを確認します。

温度で異常がある場合は端子部なら増し締め、電線なら負荷電流を測定して、許容電流内かを確認しましょう。

電線間、及び他物との離隔は適切か

高圧受電設備では絶縁電線でも電線間や他物と接触すると、短絡や地絡する可能性があります。目視で距離が近くないかを確認しましょう。特に屋外の場合は、風の影響で動くこともあるので充分に確認しましょう。

また樹木の接近や植物の侵入による事故もあるので、確認及び対策をしましょう。

設置状態は適切か

電気設備の設置状況に問題が無いか確認しましょう。

例として次の様なものがあります。

  • 屋外なのに屋内用設備が設置されていないか?
  • 電線の種類の選定は大丈夫か?配管で保護してあるか?
  • キュービクルに開口部はないか?小動物が侵入しないか?
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測定

測定により設備に異常が無いかを確認します。測定のポイントは次の通りです。

  • 電圧、電流の測定
  • 漏れ電流の測定
  • 温度の測定

測定は、適切な測定器を使用して実施しましょう。

電圧、電流の測定

変圧器ごとに電圧と電流を測定します。また高圧回路のメーターもあるなら測定しておきましょう。

電圧測定

電圧では備え付けの電圧計や、テスターを使用して測定します。

変圧器二次側は、測定カテゴリーCATⅣに該当します。カードテスターなどの対応していない測定器での測定は危険ですので注意しましょう。測定カテゴリーについて詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。

電圧は標準電圧の範囲内であれば問題ありません。

標準電圧…電気事業法施行規則38条より

  • 101V±6V以内
  • 202V±20V以内

しかし長距離に送電している場合は高い電圧で送り出している事があるので、一概に標準電圧だけで判断してはいけません。

電流測定

電流では備え付けの電流計や、クランプメーターを使用して測定します。

電流は、変圧器が過負荷となっていないかを確認する為に測定します。変圧器の定格容量以内であれば問題ありません。

しかし月次点検では、その瞬間の負荷電流しか測定できません。時間帯や時期では超過し、過負荷となっている可能性もありるので注意が必要です。

最大値が計測可能なメーターであれば、その電流値で判断しましょう。

そして最大値をリセットしておくと、期間の最大値を記録できます。

漏れ電流の測定

変圧器ごとに漏れ電流を測定します。漏れ電流は、変圧器のB種接地線にて測定します。

また測定器はリーククランプメーターを使用します。漏れ電流は数mA単位での計測が必要なので、通常のクランプメーターではできません。

漏れ電流は、これまでの漏れ電流に対して大きく増加していなければ問題ありません。

近年はインバーター機器の増加により、見かけの漏れ電流(Io)が増加している傾向にあります。より正確に漏れ電流を測定するにはIor対応のリーククランプメーターを使用すると良いでしょう。

漏れ電流の検出方式の違いついては、こちらの記事をご覧下さい。

温度の測定

温度測定では、変圧器および高圧受電設備内の端子部の温度を測定します。

測定器は放射線温度計を使用します。最近では高価ではありますが、サーマルイメージ放射温度計も使用されつつあります。感覚的に過熱部分が見えるので、見逃しを逃します。

温度測定では異常な温度でないかを確認します。温度の判定は、周囲の温度も影響するので総合的に判断しましょう。

変圧器の本体温度が高い場合は過負荷の可能性があります。また各端子部の過熱は緩みの可能性があります。 

まとめ

  • 月次点検は定期点検の1つ
  • 外観点検と測定に分かれる
  • 各項目の意味を考えて点検しよう

月次点検は電気主任技術者の基本の仕事です。前任や先輩に言われたからしているだけでは、意味がありません。なぜその点検をしているのか、どうなれば不良なのかを知っておきましょう。

大事なことなので最後にもう一度言いますが、月次点検は各保安規程に則り実施しなければいけません。ここで解説した項目が全てではないのでご注意下さい。

また月次点検で携行したい道具もまとめています。興味のある方は併せてご覧ください。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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