どうもじんでんです。今回は保護継電器に関わる最大感度角の解説です。
最大感度角とは?
保護継電器の内、位相が関係するものに最大感度角があります。位相が関係する保護継電器には、地絡方向継電器(DGR)、逆電力継電器(RPR)、不足電圧継電器(UPR)、短絡方向継電器(DSR)などがあります。
最大感度角とは、保護継電器の動作域の中心の位相を指します。最も保護継電器が動作しやす位相と言っても良いかもしれません。
保護継電器のメーカーの試験要領では、この最大感度角で試験する様に指定されている場合が多いです。また保護継電器の種類によっては、最大感度角で試験しないと動作値が管理値の範囲に入らない場合もあります。
保護継電器の試験をする上で、非常に重要な項目とも言えます。
位相特性図で考える
具体的に地絡方向継電器(DGR)の位相特性図で考えてみましょう。
下記の図は、地絡方向継電器(DGR)の理想的な位相特性図の例です。
※一般的な例で、全てがこれに当てはまるわけではありません。
この動作域の最大感度角は、動作域の進み位相の端と遅れ位相の端の中心を指します。
動作域の進み位相の端とは画像の進み135°、動作域の遅れ位相の端とは画像の遅れ45°のポイントです。
この動作域の最大感度角は進み45°になります。なぜこの動作域の最大感度角が進み45°になるかは、次の項目で説明します。
最大感度角の計算
最大感度角は、計算にて導く事ができます。
進みの135°で遅れが45°であれば、中心の計算は下記のようになります。
(135+45)÷2=90°
この90°は、進み135°の点または遅れ45°の点から最大感度角までの角度になります。
これを基準の0°からの位相に読み替える必要があります。
その計算は2通りあり、進み位相からと遅れ位相からのどちらからでも求められます。どちらで計算しても結果は同じです。
遅れ位相から求める場合
90°-45°=45°
(計算で求めた90°から、遅れ45°を引くと最大感度角になる)
進み位相から求める場合
135°-90°=45°
(計算で求めた90°を、進み135°から引くと最大感度角になる)
これより、この図の最大感度角が進みの45°という事が分かります。
通常現場での継電器試験では、位相の進み及び遅れの動作ポイントを計測します。これは今回の例で言うと、進みの135°と遅れの45°です。
この試験結果から、計算で最大感度角を求め、メーカーなどの管理値の範囲に入っているかを確認します。
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