【電気用語解説】再エネ賦課金

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どうもじんでんです。近年、電気代の上昇に伴い、電気料金に含まれる再エネ賦課金の注目が増しています。再エネ賦課金は、太陽光発電所を含む再生可能エネルギー発電所の普及の為の制度です。ただ電気代が高くなるものなど、よく理解していない方も多いのではないでしょうか。

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再エネ賦課金とは

再エネ賦課金とは、正式には「再生可能エネルギー発電促進賦課金」と言います。「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」により、再生可能エネルギーによる電力を固定価格で一定期間、電力会社が買取をする法律ができました。

これにより各企業が、太陽光発電所などを建設しやすくなり、再生可能エネルギー発電所を普及させる狙いがあります。

しかし買取の固定価格は、通常の単価より割高となっており、電力会社の大きな負担となってしまいます。その為に、電気を使う全ての人で、この買取費用を負担する制度が再エネ賦課金です。

これは国の方針であり、電力会社も決して再エネ賦課金で儲けている訳ではありません。

歴史

再エネ賦課金は、2012年7月より制度が始まりました。翌月に負担することになるので、負担が始まったのは2012年8月となります。

過去には「太陽光発電促進付加金(太陽光発電サーチャージ)」と言う名目で、同じ趣旨のものがありましたが、このタイミングで再エネ賦課金に統合されています。

制度開始時点では、買取義務が一般電気事業者に課せられていました。しかし電気事業法の改正により、現在は送配電事業者に買取義務が課せられています。

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単価

再エネ賦課金は単価があり、これに1ヶ月間の電力使用量をかけたものが請求されます。

単価は年度毎に経済産業大臣が決定します。概ね3月頃に次年度の単価が決定されます。4月から3月に要する買取費用を、使用者が5月から4月に負担します。

単価は全国統一となっており、どの小売電気事業者(電力会社)と契約しても、変動することはありません。また再エネ賦課金は消費税込みの価格となっています。

単価の推移

制度ができた2012年から現在までの単価の推移を表にまとめました。年々、増加しているのが分かります。

年度単価[円/kWA]
20120.22
20130.35
20140.75
20151.58
20162.25
20172.64
20182.90
20192.95
20202.98
20213.36
20223.45
再エネ賦課金の単価推移表
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お金の流れ

再エネ賦課金は、電気の使用者の全ての人が負担しています。その負担した再エネ賦課金は、どこにどの様に流れていくのでしょうか。

再エネ賦課金のお金の流れを図にしましたのでご覧下さい。

再エネ賦課金のお金の流れ
  1. FIT法の認定を受けている、再生可能エネルギー発電所にて発電された電気を固定価格にて送配電事業者が買取ます。
  2. 一方、小売電気事業者は電気料金と合わせて、再エネ賦課金を電気使用者から集めます。
  3. 集められた再エネ賦課金は、電力広域的運営推進機関へ納付されます。そして電力広域的運営推進機関から、送配電事業者へ分配されます。
  4. これにより間接的に電気の使用者は、再生可能エネルギー発電所の電力の買取をしていることとなります。

※現在は上記の流れですが、2017年3月までは一般電気事業者に買取義務がありました。

減免措置

再エネ賦課金は一般家庭から大規模な工場まで、電気を使用する全ての者が負担することとなっています。

しかし、より多くの電気を使用する工場などは負担が大きくなり、経営に影響することが考えられます。国内だけなら同じ負担なので競争に影響しませんが、国際的に考えると競争に悪影響を与えかねません。

そこで再エネ賦課金制度では、電力消費費事業者への減免措置が設けられています。

ここでは大まかに制度の概要について記載します。再エネ賦課金の減免措置について詳しくは経済産業省資源エネルギー庁のサイトを確認下さい。

対象となる条件

再エネ賦課金の減免を受けるには、一定の条件があります。

  • 製造業においては電気の使用に係る原単位(電気使用量(kWh)/売上高(千円))が平均の8倍を 超える事業を行う者、非製造業においては電気の使用に係る原単位が平均の14倍(製造業、非製造業ともに 5.6kWh/千円)を超える事業を行う者。
  • 申請事業所における申請事業の電気使用量が年間100万kWhを超えること。
  • 申請事業所における申請事業の電気使用量が申請事業所の電気使用量の過半を占めていること
  • 原単位の改善のための取組を行う者。

減免率

前述の条件に適合する事業者は、再エネ賦課金の減免措置を受けることができます。しかし減免率が設けられており、業種などによりその減免率には違いがあります。それぞれの減免率については、下記の表をご確認下さい。

業種優良基準を満たす優良基準を満たさない
製造業など8割4割
非製造業など4割2割
再エネ賦課金の減免率

上記の表に出てくる優良基準とは、事業の種類や電気の使用に係る原単位の改善に向けた取組の状況により判断されます。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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