どうもじんでんです。信頼できる電気の測定器メーカーってどこが思い浮かびますか?
HIOKIや共立電気などの日本メーカーも有名ですが、フルークってメーカーを知っていますか。フルークは外国のメーカーですが、テスターを使っている人をよく見かけます。
今回はそんなフルークの検電器を見つけたので紹介します。
フルークの検電器1AC-A2-Ⅱ
フルークはアメリカに本社をおく、計測器メーカーです。1948年に創業し、日本でも1977年に支社ができている昔からあるメーカーです。個人的にも信頼のおけるメーカーの1つです。
この様にフルークは歴史のある有名なメーカーです。
電気業界ではテスターが有名なイメージです。フルークのテスターを使用している技術者も多いのではないでしょうか。
そんなフルークの製品で検電器を見つけました。正直、検電器があるイメージはなく、面白半分で購入してみました。
フルークの検電器にはいくつか種類がありますが、その中でも今回は1AC-A2-Ⅱを選びました。
初見の感想としては余計な機能の無い、安全性に特化した検電器です。言い方を変えれば、HIOKIやHASEGAWAの検電器にある様なライト機能や感度調整機能はなく、少し物足りない検電器とも言えます。
しかし、その様な機能は不要という人には良い製品ではないでしょうか。
フルークの1AC-A2-Ⅱをおすすめできるのは、次の様な人です。
- 安全性が高い検電器が必要な人
- 音の出ない検電器が必要な人
- 余計な機能がない検電器が欲しい人
総合評価
製品名 | 1AC-A2-Ⅱ |
---|---|
総合おすすめ度 |
項目 | 評価 | 備考 |
---|---|---|
サイズ | 低圧検電器にしては大きい | |
性能 | AC1000Vまで対応 | |
表現 | 発光及び音ともに十分いい | |
感度調整 | 電圧入力保護機能がいい | |
その他 | 消音モードあり ライト機能や感度調整機能はない |
スペック
製品名 | 1AC-A2-Ⅱ |
---|---|
使用電圧 | AC90V〜1000V |
動作周波数 | 45Hz〜405Hz |
電源 | 単4形乾電池×2本 |
サイズ | 約W25×H150×D15㎜ |
重量 | 約54g(電池含む) |
安全性能 | CAT Ⅳ 1000V |
安全性が高い
フルークの1AC-A2-Ⅱは、分類としては低圧検電器となります。
しかしスペック上はAC1000Vまで対応と、日本では高圧に分類される電圧まで使用できます。世界を対象に製品開発をしている、フルークだからこその性能といえます。
日本メーカーの検電器では、低圧回路用では600Vまでが使用範囲となっています。これについては性能はあるが、間違って使用しないために制限している可能性もあります。
日本国内でAC1000Vの検電が必要な状況はあまり考えられませんが、特殊な機器でその様な状況がある人にはおすすめです。
そんな状況がない人でも使用電圧の範囲が高いということは、絶縁性能が高いとも言えるのでより安全に使用できます。
また測定カテゴリーCAT Ⅳ対応なので、これも安全性能が高い証拠です。
測定カテゴリーについて詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。
安全性が高いフルークの1AC-A2-Ⅱですが、その代わりに本体が他と比較して大きいです。携帯性を考えるとデメリットですね。
下記は、HIOKIの3481との大きさの比較画像です。
しかし安全性を考えるとしょうがないことではあります。
またフルークの1AC-A2-Ⅱは常時スタンバイタイプではないので、少し残念です。個人的には検電器は常時スタンバイタイプを推奨しています。
検電器の常時スタンバイタイプの解説は、こちらの記事で解説しています。
消音モード搭載
フルークの1AC-A2-Ⅱの大きな特徴として、消音モードがあります。
多くの検電器は電圧を検知すると、音と光にて知らせます。聴覚と視覚の2段階で知らせてくれるので、気付かなかったというヒューマンエラーを防止してくれます。
しかし周囲の状況によっては、音が鳴ることがまずい状況もあるのではないでしょうか。もちろん安全性を考えると、音と光の2段構えが最適です。
しかしお客様の要望で、音は鳴らして欲しくないという要望もあるでしょう。
フルークの1AC-A2-Ⅱでは、ボタンの長押しで消音モードに切り替えられます。消音モードでは、先端の発光のみでお知らせしてくれます。
一度電源を切ると通常モードに戻ります。
戻し忘れによる事故を防いでくれます。毎回変更するのは煩わしいですが、しょうがないでしょう。
オマケ機能はない
フルークの1AC-A2-Ⅱは日本メーカーの検電器によくある、ライト機能や感度調整機能はありません。
痒いところに手が届く機能がないのは少し残念です。
感度調整できないけど感度は良い
フルークの1AC-A2-Ⅱは、被覆の上からでも電圧を検知できる検電器です。
このタイプの検電器で、感度調整ができないのは不便に思うかもしれません。実際にコンセントで使用したところ、かなり電線に近づけないと検知しない感じでした。
接地相でも検知はしますが、感度調整は良い感じだと思いました。
乾電池なのは良い
電源が単4形乾電池×2本というのは良いですね。ボタン電池は、いざという時に無いのが困ります。
電池交換は、ドライバーのような先端の細いもので押してカバーを外してします。ちょっと固くて簡単には外せないのは残念ポイントです。
まとめ
- AC1000Vまで対応
- 消音モードがある
- ライトや感度調整機能はない
フルークの1AC-A2-Ⅱは正直、万人におすすめできる製品ではありません。機能が特化しているので、必要とする人とそうでない人に明確に分かれるでしょう。
パフォーマンスとしての検電器としては、見た目も安全性もありおすすめです。検査などで、測定してます感を出すには良いですね。
検電器選びでお悩みの方は、選び方やおすすめを紹介しています。こちらの記事も併せてご覧ください。
この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。
コメント