【疑問】どっちも零相電圧を検出する機器 ZPDとEVTの違いはなに?

ZPDとEVTの違いのアイキャッチ 高圧受電設備

どうもじんでんです。皆さんZPDとEVTってご存知ですか?この記事を見に来られた方は、もちろんご存知かと思います。

当サイトでは、ZPDとEVTをそれぞれ解説しています。しかしそれぞれについては理解したけど、違いが分からない方が多くいるようです。

そこで今回は、ZPDとEVTの違いについて解説します。

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ZPDとEVTの基本

ZPDとEVTはどちらも零相電圧(V0)を検出する為の機器です。これから得られた零相電圧を地絡過電圧継電器(OVGR)や、地絡方向継電器(DGR)に入力して利用します。

検出する要素も、その先につながる機器もほぼ同じなので混乱する要因となっています。

まずはZPDとEVTの基本について、簡単に解説します。

ZPDの基本

ZPDは、零相電圧検出装置が正式名称です。ZPDは「Zero-Phase Potential Device」の略称です。

他にもZVTと呼ぶこともありますが、機能的には同じです。

ZPDは、主に需要家で零相電圧を検出する必要がある時に設置されます。

ZPDについて詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。

EVTの基本

EVTは、接地形計器用変圧器が正式名称です。EVTは「Earthed Voltage Transformer」の略称です。

他にもGPTと呼ぶこともありますが、機能的には同じです。

EVTは、主に特高変圧器の二次側(6600V)に設置されます。

EVTについて詳しくは、こちらの記事をご覧下さい。

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検出原理による違い

ZPDとEVTは、どちらも零相電圧(V0)を検出しますが、その原理は大きく違います。

ZPDの検出原理

ZPDは、内部はコンデンサで構成されています。

零相電圧検出器(ZPD)の完全一線地絡時のベクトル

直列に接続されるコンデンサで、零相電圧(V0)を分圧して扱いやすい電圧に変換して検出します。

製品にもよりますが変換された零相電圧(V0)はY1-Y2から出力されて、その電圧は完全一線地絡時(一次側に3810V)に約9〜6V程度です。

この電圧を保護継電器に入力します。

EVTの検出原理

EVTは、一次-二次-三次がY-Y-オープンΔで構成される計器用変圧器です。

零相電圧は、三次回路のオープンΔという特殊な結線で検出されます。オープンΔは、Δ回路の一端が開放されている結線です。

完全一線地絡時(3810V)には、オープンΔ回路の開放部に190Vか110Vが出力されます。出力電圧については、製品によって190V仕様と110V仕様があります。

接地型計器用変圧器(EVT)のベクトル図

この電圧を保護継電器に入力します。

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使い分けによる違い

さてZPDとEVTの基本については解説しましたが、皆さんが気になるのはその使い分けかと思います。

ここからは具体的な違いについて解説します。

EVTの用途

まずEVTは、オープンΔ回路の開放端に抵抗を挿入しています。この抵抗により、一次側の中性点が高抵抗で接地されていることと同等になります。

これは6600V配電系統で採用される、非接地方式の仕組みです。非接地方式と言いながら、実は高抵抗で接地されています。

なのでEVTは、特高変圧器の二次側(6600V)の母線に設置されます。高圧受電の需要家については、電力会社の変電所に設置されているので、基本的に需要家の設備には設置されません。

高圧受電の需要家でも設置されるのは、高圧発電機が設置されている場合です。ただしEVTが商用系統には接続されないような工夫が必要です。理由は後述しますが、高圧発電機のみで需要家内の電気を使用する場合だけEVTが回路に接続されるようにしないといけません。

ZPDの用途

零相電圧の検出に使われるEVTは、下記の理由により系統に1台のみ設置することとなっています。

  • 多重接地になる
  • 事故時の事故点探査が困難になる

EVTは高抵抗により中性点を接地すると解説しました。それにより系統に複数台あると多重接地となり、地絡電流がそれぞれのEVTに分流して保護継電器の動作に影響します。また同じ理由で、事故時の探査が困難になります。

この様なことから、高圧受電の需要家にはEVTの設置が禁止されています。

なので高圧受電の需要家で、零相電圧(V0)を検出する必要がある場合にZPDが利用されます。ZPDでは中性点が接地されないので、何台設置しても問題ありません。

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組合わせる継電器による違い

零相電圧を入力する保護継電器の代表として、地絡過電圧継電器(OVGR)方向性地絡継電器(DGR)があります。

それぞれの保護継電器の詳細については、こちらの記事をご覧下さい。

ここでは地絡過電圧継電器(OVGR)に絞って説明します。

ZPDとEVTでは、零相電圧(V0)の出力はどのくらい違うのでしょうか。前にも書いていますが、完全一線地絡時(3810V)にZPDでは数Vで、EVTでは190Vか110Vが出力されます。大体、10倍程度の違いがありますね。

この事から、同じ地絡過電圧継電器(OVGR)でもZPD仕様のものとEVT仕様のものが存在します。入力される電圧が大きく違うので当然です。

よって保護継電器も、ZPDとEVTの違いで使い分けが必要です。また、試験の際も入力する試験電圧には十分に注意しましょう。

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まとめ

  • ZPDもEVTも零相電圧を検出する機器
  • EVTは系統に1台のみ
  • それ以外はZPDで検出する
  • 組み合わせる保護継電器はZPDとEVTで異なる

ZPDとEVTは似た用途の機器です。しかし検出原理が違い、出力する電圧も大きく違います。保護継電器試験では入力する電圧も要注意です。

そもそもがZPDとEVTは零相電圧を扱うので、内容が理解し辛いものとなっています。その上でZPDとEVTの違いを理解しないといけないので、大変かと思います。少しでもきっかけが掴めればと思います。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

この記事を書いた人
じんでん

当サイトの運営者。
電気設備の保守管理の仕事に携わっています。専門知識ってネットでは出てこないか、難しすぎるって場合がおおくないですか?そこで私は電気関係の仕事で役立ちそうな情報を簡単に分かりやすく発信しています。
〔保有資格〕
・第3種電気主任技術者
・第1種電気工事士
・消防設備士

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