高圧進相コンデンサってなに?

高圧受電設備

どうもじんでんです。今回は高圧進相コンデンサについての記事です。高圧進相コンデンサは力率を改善し、電気の無駄を無くす機器です。高圧受電設備には、必ずといっていいほど設置されている機器です。

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高圧進相コンデンサとは?

高圧進相コンデンサは「SC」ともよび、「Static Capacitor」の略称です。

電動機を代表して電気機器は誘導成分があり、力率を低下させます。力率が低下すると様々なデメリットが発生します。これを改善するのが高圧進相コンデンサです。

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設置の目的

高圧進相コンデンサは力率の改善の為に設置されます。

電動機は誘導成分があり、無効電力を発生させます。無効電力が大きくなると皮相電力が大きくなります。

消費電力が100kWであっても力率が0.8だと、皮相電力は125kVAとなります。その為に実際は100kWしか消費しない機器でも、125kVAの供給が必要となります。これにより変圧器やブレーカー、電線などの供給設備は125kVAに対応する様に施工する必要があり、コストが増えてしまいます。力率を改善して、1に近づけると上記の問題が解決されます。

また力率を改善する事で、電力会社から基本料金の割引を受ける事ができます。高圧進相コンデンサは、主に電力会社から割引を受ける為に設置されます。

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 種類

高圧進相コンデンサには冷却方式によっていくつかの種類があります。

油入自冷式

油入自冷式はコンデンサを絶縁油で満たしてパッケージしたものです。

一般的で、広く普及しているタイプといえます。

特徴として小型であることや安価である事が挙げられます。

ガス封入式

ガス封入式はコンデンサをSF6ガスやN2(窒素)ガスで満たしパッケージしたものです。昔はSF6ガスが主流でしたが、現在はN2(窒素)ガスが主流となっています。絶縁油が入っていないので、乾式とも呼ばれる事があります。

オイルレスである事で、火災防災上のメリットがあります。しかし油入自冷式に比べて、大型で高価な傾向であるのが特徴です。

外観は油入自冷式とあまり変わらず、ぱっと見では判別が難しいです。

モールド式

モールド式は絶縁油もガスも使用していないコンデンサです。

ガス封入式と同じくオイルレスで、火災防災上のメリットがあります。

一般的には普及しておらず、あまり見かける事はありません。また、製造しているメーカーも限られています。

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選定

高圧進相コンデンサの容量選定では、昔から動力変圧器の合計容量の⅓や30%程度と言われてきました。これは、全体の力率を80%と仮定した時の計算で算出されます。

しかし近年では各使用機器の力率も改善されている為に、上記の計算だと過剰になる傾向があります。特に事務所用途など、エアコンやエレベーターが主な動力機器な場合はその傾向が顕著です。

その為に、上記の計算より少なく見積もっても問題が無いと言えるでしょう。

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直列リアクトルの設置

高圧回路への高圧進相コンデンサの設置には注意点があります。それは同時に、直列リアクトル(SR)の設置が求められる事です。

JISや高圧受電設備規程で高圧進相コンデンサの設置の際には、直列リアクトルを設置する事が原則とされています。

しかしこれらが定められたのはJISでは1998年で、高圧受電設備規定では2014年に義務事項とされました。なので一昔前の高圧受電設備では、設置されていない場合もあります。

電気設備技術基準では、謳っていないので絶対に必要という訳ではありません。しかし様々な観点からも設置すべきでしょう。

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放電抵抗

高圧進相コンデンサには「放電抵抗」と呼ばれるものが内蔵されています。

高圧進相コンデンサは電気を溜め込む性質があります。これにより電路から切り離されても電気が残留してしまいます。電気が残留した状態で電路に再接続すると、高い過渡電圧が発生して危険になります。

これを防止する為に放電抵抗が内蔵されています。放電抵抗により、5分で50V以下の電圧に放電されます。もちろん5分以内に再接続すると危険です。5分以上の間隔をあけて再接続するようにしましょう。

また放電抵抗は、メンテナンスの際に作業者の感電防止にも役立ちます。しかし放電抵抗が内蔵してあっても、触れる際は放電しておくべきでしょう。

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まとめ

  • 高圧進相コンデンサは力率改善の為に設置される
  • 「油入自冷式」「ガス封入式」「モールド式」がある
  • 設置時には併せて直列リアクトルを設置する
  • 放電抵抗は電路から切り離した時に安全な電圧に放電させるもの

高圧進相コンデンサは、殆どの高圧受電設備に設置される機器です。今回は基本のみをまとめましたが、これ以外にも様々な事に影響します。意外に簡単なようで難しい機器です。

この記事が皆さまのお役に立てれば幸いです。

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